目次 [非表示]
2019年の9月-11月まで開催されたエンタメ・ビジネススクール各回の登壇者とのスペシャルインタビューをお届けします。業界のことだけでなく就活アドバイスもいただきました。是非とも、まとめレポートと併せて読んでいただき、ご自身の就職活動に活かしてくださいね!
今回は、松竹の石塚慶生さんにお話を伺いました。
石塚 慶生(いしづか よしたか)氏
松竹株式会社
映像本部 映像企画部 映画企画室
チーフプロデューサー
松竹株式会社 映像本部 映像企画部 映画企画室。映画プロデューサーとして『子ぎつねヘレン』『植物図鑑』などを手がける。役所広司、樹木希林、宮﨑あおいが出演した『わが母の記』は第35回モントリオール世界映画祭審査員特別グランプリ、第36回日本アカデミー賞12部門の優秀賞などを受賞した。プロデューサーとして、映画製作者に与えられる第32回藤本賞奨励賞を受賞している。
≫第8回エンタメ・ビジネススクールのレポートはこちらから≫
エンタメ・ビジネススクールとは?
開催期間:2019年8月~10月(3ヵ月)
実施回数:全11回
エンターテインメント業界全体から、将来性や動向まで学べる特別イベント。業界研究の一環として試しに参加してみた方から、就活早期でまずは業界の知識やノウハウを身につけたいという方まで幅広くご参加いただきました。
頭を柔軟にすることで新しいエンタメが生まれる
シンアド就活:映画・映像業界について、お仕事の醍醐味などお伺いしたいです。
石塚さん:自分の興味が人の興味につながり、お客さんの喜びに変えられる。もちろん自分が好きなことを仕事にしてるという楽しさもあるし、その楽しさをお客さんにちゃんと届けられるということは、なかなか他の仕事ではない醍醐味ですよね。
一方で、お客さんのニーズにどうやって自分が応えられるか試される場でもあって、臨機応変に、柔軟に考えを変えていくことも求められます。自分の凝り固まった考え方ではなく、自分の頭を柔軟にすることで、また新しいエンタメが生まれていくという面白さも感じます。
エンタメは時流やタイミングで、いい企画というものが大きく変わるので、そこに対して自分で時代を読んで、波に乗るという意識を常に持つように意識掛けていますし、プロデューサーとしてはそういった意識が大事かと思います。
何事にも興味を持ち、掘り下げることが大切
シンアド就活:映画業界のプロデューサーになる為に気を付けるべき事や、学生のうちにしといたほうが良いことを教えてください。
石塚さん:例えば、僕は大学時代に海外のベスト音楽アルバム100を全て聴いたんですよね。その時は、とにかく聴きたくて、知りたくて、知識欲があって、色々なジャンルの音楽への興味がありました。その時の自分の興味は音楽に特化していましたが、音楽の中でも幅広く興味を持っていたんです。
自分の趣味の範囲を超えて何かひとつのことをすごく掘り下げてみると、また新しい発見があると思います。そういった発見を重ねることで「自分にはこういう面があったんだ」と気付くことができます。
特に学生時代は、他人の目を気にせず一人で物事に没頭できる時間があります。一人で旅に出る、一人で100枚音楽のアルバム聴いてみる、一人で映画を100本観てみるなど、孤独の中で生み出されるものや発見できるものがあります。社会人になると、ある種枠組みに捉えられざるを得ないので、こういったことは学生時代にしかできないことですよね。
僕は孤独であることが辛かったけど、それによって発見できたことがあって、その裏返しを今やっているかもしれません。あの時に人と会話ができなかった枯渇感を経て、今こうやって人と接することが面白いし、一人ひとりまったく違う発見があると感じています。100人いたら100人が全然違う人間であるということを、今この仕事をやりながら体験できていて、そこが面白いと感じて追及しているんです。
まとめると、プロデューサーになりたいのであれば、何事にも興味を持つことが一番大切だということです。逆に何事にも興味を持てない方は向いてないと思いますね。何か一つのことだけしかできないとか、それを極めたいという方はプロデュース業ではなく、映画監督だったリクリエイターだったりに向いていると思います。
好きな会社にラブレターを送りまくるべし!
シンアド就活:最後に就活生へのメッセージをお願い致します!
石塚さん:カッコつけて言うと、ラブレターを送りまくる。自分が好きな人にラブレターを送りまくればいいし、断られてもくじけない気持ちは大事かなと思います。ただ、断られた理由を考えないと、次のラブレターを書けないじゃないですか。
僕は過去に、樹木希林さんにオファーを出して一度断られたことがあるんです。しかし、その後に希林さんから連絡が来ていて「あなた、あの役どうなった?」と電話で聞かれました。そこで愛を感じたんですよね。それって、ラブレターというか、愛の交換だったと思うんです。後日監督を交えて3名で食事をし、その作品に希林さんが出てくださることになったんです。
その経験から、常に愛情の交換が必要だと感じました。やっぱり、役者だってスタッフだって、良い作品・面白い作品に出たいし、お互い相思相愛になりたいじゃないですか。方向性は微妙にずれていたりもしますが、それを埋めるために努力することがすごく大事ですし、好きな人に振りむいてほしければ、好きな人を分析しろってことかなと思います。好きな会社に行きたければ、好きな会社を分析すればヒントが絶対あるんですよね。
――石塚さん、貴重なお話ありがとうございました!
≫【就活で成功する考え方とは!?エンタメ・ビジネススクール特別レポート】はこちらからどうぞ!≫