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大学で必要単位を落とした場合、進級や卒業ができず留年となるのが一般的です。留学や何か大学以外のことをするために留年する場合もあるでしょう。
しかし、大学を留年をしてしまった場合、就活時に不利にならないかどうか不安に感じる人も多いはずです。そこで今回は、留年した場合の就活を成功させる方法について考えます。
留年後は退学しないで卒業を!
まずは留年経験者が就活する上で基本の前提となる「卒業」の話です。
大学を留年した場合、どうしても様々な悩みやストレスがあると思います。 例えば、
卒業・進級した友達との何となくの隔たりや、話を聞いた時の羨ましさ、そして焦り。
一学年下の生徒と同学年になり、友達がいない環境で、馴染もうとするときのストレス。
今度は留年せず卒業・進級できるのかという不安。
そして、家族の金銭的協力を得るのが難しい場合、必要になった学費や生活費を稼ぎながらの学生生活が何より大変、ということもあるでしょう。
心が折れそうになった時、
「もう退学でいいや」と思うこともあるかもしれません。
しかし、ちょっと待ってください。
就活という面で考えた場合、留年してもその後卒業する場合と、退学とでは選考条件・区分が全く変わってしまいます。つまり、留年になったとしても、 卒業すれば最終学歴は大卒となるため、就活時は新卒として応募することができるのです。
大学で単位を取得するのが面倒だからとか、悩みや生活の大変さに心折れて中退してしまうと、最終学歴は高卒となってしまい、就活時に不利に働く可能性があるので注意しなければなりません。学歴が高卒だと応募できる求人が限られたり、給与水準が低くなってしまう可能性があるため、中退という判断は避けるべきです。
就活を有利に進めたいのであれば、多少困難でも単位を取得して、大学をきちんと卒業することをおすすめします。
留年に対する考え方を前向きに
続いては、自分の留年についてどう捉えるか、その考え方と心構えについてお話します。
結論から言うと、何より大事なのは留年しても前向きであること。
つまり、留年は長い人生におけるごく短期間の状況にすぎないのであり、人生の失敗や汚点ではないと考えることです。
必要以上にセンシティブになったり、ネガティブ思考になることは何より避けなければいけません。
そこで、柱となる考え方は次の2つです。
では、一つ一つについて考えていきましょう。
留年は珍しいことではない
留年することは決して珍しいことではありません。
就活中の学生の中には、留年してしまった学生も一定数いるため、自分だけだと思わずに就活に対して前向きに取り組むことが大事です。
1回だけでなく、2〜3回留年してしまった場合でも就職できた人はたくさんいるため、留年したからといって就活を諦める必要はありません。
逆に失敗したことを肯定的に捉えてくれる企業もあるため、留年を隠さずに就活を進めていきましょう。
留年は不利ではない
留年することは不利だと捉えられがちですが、実際にそうとは限りません。
留年をしただけで不合格になることはまずないので、留年を挽回しようと行動することが大事です。
企業の多くはやる気のある人材を求めているため、応募した企業が求めている人物像と合致すれば、留年の有無関係なしに内定をもらうことができます。
留年後の学生生活の心構え
次に、留年が決まってからの学生生活について考えていきましょう。
どのような心構えで過ごせば学生生活が豊かになり、就活の成功にも結びついていくのでしょうか。
心がけておきたいポイントは2つです。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
まずは卒業スケジュールを
留年が確定したら、まずは今後の卒業スケジュールを立てましょう。
単位が残りわずかしか残っていなくても、油断してはいけません。
油断するとダラダラ過ごしてしまい、また留年してしまう可能性が出てきてしまいます。
留年を繰り返さないためにも、まずは単位を取得する具体的なスケジュールを立てましょう。
就活を始めると講義に出席できないこともあるので、学業と就活を両立できるスケジュールを立てることが大事です。出席が必須となっている講義はなるべく避けて、単位が取りやすい講義を選ぶといいでしょう。
前期のうちに必要な単位を取得できるスケジュールを組めば、就活対策に時間をかけることができます。
友達を積極的に作り交流を
就活を乗り越えるためには、大学で友人を作ることも大切です。友人がいれば、単位が取れるようにお互い苦手な部分をカバーし合うことができます。
一人だけで卒業しようとすると途中で挫折しやすくなりますが、友人がいれば困ったときに助け合い、卒業まで漕ぎ着けることが可能になります。
さらに、就活の情報交換や状況を伝えあったり、苦しい思いを共有したり、励ましあったりすることは就活を乗り越える上で大きな支えとなります。一人だけで頑張ろうとせずに、悩んだ時に相談できる友人を作っておくと、就活も乗り切ることができるでしょう。
就職活動で重要な事前準備
さて、いよいよ就活についての対策の話に入ります。まずは、留年後の就活にとっては特に重要なカギとなる「事前準備」です。
就活では、事前準備をしてから選考や面接に臨むことが大切です。特に留年経験者は、面接では留年について質問されることがあるので、事前に答えを考えておくといいでしょう。
留年に負い目を感じていても、面接ではそのような態度を見せずに、留年を乗り越えた前向きな態度を見せることが大事です。
留年を経験し、どう乗り越えていったのかが重要なポイントになります。
面接官や採用担当者は留年した学生を何人も見ているため、留年したことよりも、留年を挽回するためにどのように取り組んでいるかという点を重視します。
留年したことで学んだことや、今後仕事に活かしていきたいことをまとめて、前向きな回答を考えておきましょう。留年したことを質問されても動じる必要はないので、自信がない態度を見せずに、落ち着いて的確に答えることが大事です。
面接での心構えとコツ
続いては、就活の面接における心構えとコツについてお話します。
留年経験者ならではの「プラスに見せるコツ」が数多くあるので、それらを中心に見ていきましょう。
以上6つのポイントについて押さえておきましょう。
1. 面接では正直に
面接で留年について答える際は、留年に至った経緯を正直に説明しましょう。取り繕っても面接官に見透かされてしまい、イメージダウンにつながるだけです。
ましてや、留年の事実を隠して選考を受けると、学歴詐称になり、減給や最悪の場合解雇になる危険性まであります。
正直に自分の留年について認めて、どうやって立ち直ったのかという点や、留年後に打ち込んだことなどを説明しましょう。
もちろん、留学やダブルスクール、資格取得、アルバイト等、自己実現やスキル向上が留年の要因になったり、留年後にチャレンジしたりしたなら、積極的にアピールすると高評価につながります。
面接官の質問には、具体的かつポジティブに説明することが大事です。例えば、「教授のもとに週2回質問に通った」「苦手教科を克服するために図書館に週2回通った」など、具体的な対策を説明することができれば、イメージアップにつながります。
2. ネガティブな説明を繰り返さない
面接でマイナス評価を得やすいのは、ネガティブな説明を繰り返すことです。留年してしまった理由をダラダラ述べても、イメージアップにはつながりません。
「自分の弱さが出た」「頑張りが足りなかった」などと曖昧な言葉で説明するのも禁物です。
なぜ留年に至ったのか、その理由を客観的かつ明確に説明する必要があります。
面接官から質問された時に戸惑っているとマイナスイメージを抱かれてしまうので、明確に答えられるように、あらかじめ準備をしておきましょう。
3. 具体性を持たせる
失敗を克服した過程を説明する際も「頑張りました」などと抽象的な発言をするのは避けましょう。適当な答えをしただけでは、面接官に好印象を与えることは難しいので、どのように頑張ったのか、面接官がイメージしやすいように具体的に伝えることが大事です。
例えば、留年してから1年の間でどんな活動に打ち込んだのか、その活動に打ち込むためにどのような努力をしたのか等、具体的なエピソードを盛り込んで話せば、面接官に興味を持ってもらうことができます。
4. 効果的に伝える
留年を経験し、それを乗り越えて卒業する過程で感じたことや学んだことは、社会人になってから役立つこともあるので、それを効果的に伝えることができれば、留年したことに対してマイナスの印象を持たれることはありません。
むしろ、興味を持って聞いてくれる企業のほうが多いでしょう。
壁にぶつかっても克服する努力をして、会社に貢献してくれるような人材を求めている企業は多いため、留年を克服した経験は就活を進めていく上で自分の大きな武器となります。
留年後に歩んできた過程を自分の言葉で説明して、オリジナリティを持たせることができれば、内定をもらえるチャンスが近づくでしょう。
5. 留年は強みになりうる
留年したことはむしろ自分の強みになり得るので、面接などで積極的にアピールしましょう。
留年したことは他の就活生との差別化に活用することができるため、自己PR欄に書き込んでおくといいでしょう。留年を経験し、それを乗り越えてきた学生は少ないため、自分をアピールする上で非常に効果的です。
留年を武器として捉えることができれば、就活をうまく乗り切ることができるでしょう。
6. 表情とトーンには注意
留年について面接で説明する際は、話す表情と声のトーンに注意しましょう。
面接で話す内容を事前にしっかり準備していても、話しているときの表情が暗かったり、声のトーンが低かったりすると、マイナスイメージを持たれてしまいます。
人が他人に与える印象は見た目のほうが大きいため、面接を受けるときは話し方を意識することが大事です。
面接官から留年について質問されたら、聞き取りやすいようにハキハキと答えましょう。説明する際に明るい表情を心がければ、マイナス評価を受けることはまずありません。
常に明るく話すことを意識すれば、面接で好印象を得ることができるでしょう。
留年は自分次第で強みに変えられる!
今回は、留年経験者の就活について、その考え方・心構えと、就活準備・面接のコツについてお話してきました。
改めてポイントをまとめてみましょう。
・留年しても退学は避け卒業を目指そう
・留年は珍しいことではなく、不利にならない
・卒業へのスケジュールをたて実行する
・友達づくりが卒業・就活成功のカギ
・入念な事前準備で留年を強みに
・面接は簡潔・具体的に明るく自分の強みをアピール
結局のところ、就活で成功できるかどうかは自分の努力次第。留年の有無は関係ありません。たとえ留年していなくても、自分と相性の良い企業に巡り会うことができなければ、就活は成功したとはいえません。
就活が成功するかどうかは運も絡んできますが、留年のせいにせずに、しっかり準備をして経験を強みとし、全力で取り組むことが大事です。