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インターンシップとは
就職活動中、あるいは就職活動を視野に入れている学生にとって、「インターンシップ」という言葉はややハードルの高いものに映っているかもしれません。
「意識の高い人だけが行くもの、自分には関係ない」「変な企業だと、無理に就職して働かされそう」といった声も聞かれます。
たしかに、インターンと称して不当に学生を働かせる企業はごく一部、存在するでしょう。
しかし、そういったことはあくまで例外であり、多くの企業は自社にとって有用な人材を見極めるためにインターンシップを活用しています。
また、「意識の高い人が行く」というのも間違ってはいませんが、自主的に動く意識は就職活動において非常に重要なものです。
斜に構えるばかりでなく、懸命に自分を高める姿勢も必要です。
インターンシップの種類
インターンシップと一口に言っても、実はその期間によっていくつかのタイプに分類できます。
1日のもの
最短のものは1日であり、こういった形態は数多くの企業がとりいれています。
ただし、1日となるとできることは非常に限られており、実際はほぼ「職場見学ツアー」のようなケースがほとんどでしょう。
グループディスカッションや社員による座談会などもありますが、やはり時間の関係上それほどコアな部分には触れにくいのです。
もちろん、実際に憧れの企業のビルに入り、社員たちの会話を近くで聞けるというのは刺激になります。
そのうえ、後日面接を受ける際にも「インターン参加した」というのは多少プラスになるでしょう。
とはいえ、たった1日では企業側の担当も学生全員を覚えてはいないでしょうし、大きなポイントにはなりにくいと言えます。
企業側はどちらかといえばPRのため、学生側は職場の雰囲気を感じて、実際に働く自分をイメージできるというのがメリットになるでしょう。
5日~1週間のもの
もう少し長めのインターンとしては、5日~1週間ほどの期間のものがあります。
こちらはグループワーク中心であり、何らかの課題を与えられ、決められた枠の中で問題を解決してプレゼンを行うという形です。
同じ就職活動中の学生とチームを組んで問題解決に動きますので、チームワークや協調性も担当者に見られています。
また課題をどうとらえたか、どのくらいの検討を重ねて解決策にたどりついたかなどのプロセスも重視されるでしょう。
学生は経験が少なくて当然なので、最終的なプレゼンの上手さはあまり求められません。
懸命に伝えようという姿勢が高評価を得ることが多いでしょう。
評価されれば選考会に呼ばれることもあるので、アピールは臆せず行うことをおすすめします。
長期インターン
上記二つとだいぶ異なるのが、2週間~1ヶ月、場合によってはそれ以上の期間を年単位で行う「長期インターン」です。
上記の短期インターンは選考を兼ねた企業側のPR、学生への周知という側面がありますが、長期インターンにおいてはかなり目的が異なってきます。
1ヶ月や半年、長いと2年近くというスパンでわれるわけですから、当然「見学者」「お客さん」というスタンスではいられません。
短期のインターンは交通費のみの支払いで無給、というものも多いですが長期インターンではしっかりお給料が出ます。
そういった意味でも、戦力になることが期待されるのです。
当然、最初から正社員と同じようなことは求められませんので、簡単なことからだんだんと任せてもらうことになるでしょう。
通常のアルバイトより責任は重いですし、選考でもあるためプレッシャーもかかってきます。
しかし、その分集中して仕事を覚えようという姿勢が身につきますし、社会人としての基礎スキルを自然に覚えることもできるのです。
長期インターンの選び方
メリットの大きい長期インターンですが、かなりの長期間拘束されるわけですから、どこの企業を選ぶかはとても重要です。
長期インターンを実施している企業はそれほど多いわけではありませんので、まずはそれを探すところから始めましょう。
企業がインターン情報を出す先は主に3つあり、「自社のホームページ」「大学や専門学校、短大など」「求人サイト」となります。
自社ホームページ
この中で、自社ホームページというのはあまり探す側にとって効率が良くありません。
たしかに行きたい企業が決まっていれば、ピンポイントで長期インターン情報が得られます。
しかしそれ以外の学生にしてみれば一件ずつサイトを見て回ることになりますので、時間も手間もかかりすぎてしまうでしょう。
就職活動は情報の鮮度と行動力が大切ですので、あまり効率的とは言えません。
就職課へ問い合わせる
もう一つは、大学や短大、専門学校の就職課に問い合わせるという手段です。
個別にサイトを訪ね回るよりは効率が良いですが、問題点もあります。
企業側としてはミスマッチを避けたいので、希望する人材がいそうな学校にしか情報を流しません。
中小企業やベンチャーであれば人手も足りず、採用選考や面接にかかる負担が馬鹿にならないからです。
そのため少し偏差値が基準に満たないと思われている学校や、理系か文系に偏った学校には最初から情報が流されず、有名大学や特定分野の専門学校の就職課でしか得られないインターン情報が数多く存在します。
これにリーチできなければ、選択肢の少ない状態で長期インターンを探すことになるため、非常に不利となるでしょう。
超有名大学所属でもなければ、やはり自分から探していく姿勢が求められます。
求人サイト
一方求人サイトなら、上記のようなデメリットはなく、学生側はとても効率的に長期インターン情報を検索できます。
企業側としても相手を絞ることなく広く募集することで、希望の人材の取りこぼしを防ぐことが可能です。
また、インターネット上のやり取りなので労力も少なく、人事担当者の負担も少ないためベンチャー企業でも多くの学生を候補にすることができます。
企業側が求める条件に少し足りなくても、熱意をもってアプローチすれば長期インターン参加のチャンスは十分にあるのです。
長期インターンの注意点
長期インターンの選び方には、単なるアルバイトと違う点もあるので注意しましょう。
まず、学校に通いながらのインターンになりますから、職場までの距離があまり遠いところは避けたほうが無難です。
他のアルバイトはまずできませんので、時給も確認しておきます。
ここまでは通常のアルバイトと変わりありません。
それだけではなく、どんな経験ができるか、数値化できる成果を上げられるかということを重視するのがポイントです。
IT業界を志望しているなら、そちらの知識や技術が身につくIT企業で長期インターンを行えば、将来にとって大きな財産となります。
また業界を問わず営業職をやりたいなら、実際に任せてもらって「月間の売り上げ70万円」のように具体的な数値が出る働き方がおすすめです。
これらはやる気につながるだけでなく、インターン先の企業に入らない(あるいは入れない)場合でも、他企業の面接時に大きな武器となります。
面接で活かせる
採用時の面接では、たいてい志望動機や学生時代の活動など、同じような質問をされるものです。
その答えを聞くだけでは、実は採用側も学生の適性についてそれほど正確に判断はできません。
アルバイト経験やサークルでの活動実績を聞かされても、自社でどのくらい貢献できる人材なのかは未知数です。
しかし、長期インターンを行っていれば、実際の業務に携わっています。
「即戦力」というにはやや足りなくても、さきほどの「月間売り上げ70万円達成」などの具体的な数値があれば評価の対象になりやすいのです。
入社したい企業はもちろんのこと、たとえインターン先とは違う企業に就職を希望する場合でも、長期インターンでの実績はとても有効なアピールになります。
最後に
就職活動中の大学4年生はもちろん、大学1年生でも長期インターンを始める学生は増えています。
求人サイトを賢く活用して候補を探し、自分にとって何かが身につき、実績を数値化できるインターン先を選びましょう。