インタビュー 2026.03.18
世界を舞台に戦う総合広告代理店【CIRCUS】。少数精鋭で生み出すトータルプロデュースとは?

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    役職や業務を分業化することなく、プロジェクト全体で一貫してサポートする「トータルプロデュース」を掲げる総合広告代理店「CIRCUS」。

    案件の依頼を待つのではなく、自主的に企画を立ち上げ、企業にプレゼンテーションを仕掛ける提案型のビジネスを主体に、ヨーロッパの強豪サッカーチーム『パリサンジェルマン』の来日ツアー、『クリスティアーノ・ロナウド』『大谷翔平』といった一流アスリートを起用した広告制作など、既存の枠組みにとらわれない企画を考案・実現しています。

    なぜ「トータルプロデュース」を掲げるのか。他とは一線を画す企画力の源泉はどこにあるのか。創業者である河野広一代表と、5年目でチームの中心を担う金井さんにお話を伺いました。

     

    〈プロフィール〉

    代表取締役 河野 一広
    早稲田大学卒業後、広告代理店ADKに入社。4年間、テレビ局を担当しその後8年間は新規開拓営業を経験。2004年、大手の下請けではなく、小さくとも輝きを放つ広告代理店を目指し株式会社CIRCUSを設立。

    金井 綾音
    慶應義塾大学卒業後、2021年に新卒でCIRCUSに入社。クライアント業務と新規開発、人事含め様々なプロジェクトを並行で担当。

    すべてを取り仕切る「トータルプロデュース」。

    --------まずは現在展開されている事業領域、市場における特長について教えていただけますか。

    河野:いわゆる広告代理店として、クライアントの商品やサービス、ブランドの価値を高めるための施策全体の企画から実行に移すまでのすべてを担っています。

    CIRCUSの特長としては「大手の下請けではないこと」、「プロジェクト型のトータルプロデュース」の2点があると思います。

    日本には星の数ほどの代理店があります。しかし、日本の広告代理店全体の構造としては、電通や博報堂、インターネット広告ではサイバーエージェントといった大手代理店の独占市場であるといっても過言ではありません。優秀なクリエイティブディレクターが独立した事務所も含め、大手の下請けとしてビジネスを回している企業が多いのが現実です。

    その中で、CIRCUSを創業した際に決めたのが「大手の下請けにはならない」ということ。彼らの競合企業であり、争うライバルとして、小さくとも独自の輝きを放つ存在を目指すと決めました。

     

    そのために掲げているものが「プロジェクト型のトータルプロデュース」です。

    多くの広告代理店では、クリエイティブ、マーケティング、PR…それぞれの分野で部署が細分化され、分業で一つのプロジェクトに取り組んでいます。一方で各分野に専門職を置くことで「担当している範囲以外は詳細がわからない」という事態も招いています。多様なサービスを持っていたとしても「他の担当に聞いて」という対応になってしまえば、プロジェクトの最大価値は発揮できませんよね。

    また、代理店でプロジェクトを取り仕切る立場を経験してきた中で、上長が各部門の社内スタッフを招集してくれたのですが「その人たちが自分より面白くなかったら意味がない」とも気づいたんです。極端な話ですが、その時には一度社内の人間をすべて切って、自分たちで考え、本当に必要な専門家たちを招集してプロジェクトを動かす形にしたんです。

     

    その経験からCIRCUSでは「部署」と「役職」という概念を取り払いました。

    「プロジェクト」ごとに必要な専門領域を持った人でチームを作り組織することで、CMのみ、グラフィックのみといったサービス単体ではなく、弊社が提案する企画を起点とした「トータルプロデュース」ができるわけです。

     

    また経営の責任を負うという意味で私や海外支社の代表には「代表取締役」といった肩書きがあるものの、それ以外には「プロジェクトリーダー」という役割分担以外に上下を表す肩書きは存在しません。年次も性別も関係ないフラットな集まりだからこそ、誰もが平等に意見を出し合い、尊重することで、組織全体としての力が発揮できると考えています。

    軸足はあくまで広告代理店。

    --------パリサンジェルマンの日本ツアーや、最近では大谷翔平さんを起用した広告など大規模なプロモーションも多く手がけられていますよね。

    河野:よく勘違いされるのですが、私たちはスポーツエージェントでもマネジメント会社でもありません。私がスポーツを好きなのは間違いないのですが、PSGやクリスティアーノ・ロナウド、大谷翔平といった「世界的なコンテンツ力を持つ方々」を起用したに過ぎません。実際、最近は音楽やエンタメ系にも力を入れていて、海外での音楽コンサート興行やアーティスト事務所の新サービスのブランディング、海外でのアートエキシビションのPRなども実施しています。

    CIRCUSの軸足はあくまで「広告代理店」です。

    お客さまの商品がどうすれば競合他社より良く見えるのか。どうすれば企業ブランドの価値を高めることができるのか。そのために日夜、企画を考え続けているんです。

    私たちは一般的な代理店さんのようにコンペや受注を待つことはしません。常に企画を考え、お客さまのもとへ自主的にプレゼンテーションしに行くんです。「ムーブメント・プロモーション」と私たちは呼びますが、半年後、1年後、2年後、3年後のことを想像して世間が盛り上がったタイミングで、盛大なプロモーションを打てるような流れを生み出すんです。大谷翔平さんとは布団メーカーの西川さんで起用させていただいて以来10年近い付き合いですが、ワールドチャンピオンやMVPを獲得してから「大谷を起用した広告を作りたい!」と言っても遅い訳です。

    例えば、大谷さんは子どもの頃からお茶が好きで、食事中もトレーニング中もよく飲んでいたこと。高校時代からマネージャーが何百個と作ってくれたおむすびが元気の源となり、今も夫人が握った梅おにぎりが心の支えになっていること。こうしたストーリーの積み重ねの中から「このタイミングで世の中に企画として出したら、世界はどう変わるんだろう」という提案をしているのが私たちの仕事です。

     

    --------企画を起点に考えられているからこそのスケールの大きさを感じました。

    河野:現代ではSNSやECショップという存在が当たり前になり、誰もが情報発信や売買ができる、言ってみれば「一億総広告代理店」状態です。国民全員が常に新しい情報を追いかけ続けている状況の中で、どうやって埋もれない新しいことを作っていくかにこれからの広告代理店の意義はある訳です。「Please buy me」とお願いするだけでは、もう誰も買ってくれません。「Please love me」。人々に愛してもらえるようなプロモーションを私たちは仕掛けていきます。

    「こんなことがあったらいいな」。企画の源泉は人を楽しませること。

    --------世界を舞台にした案件も多くあり、海外にも拠点を持たれていますよね。クリエイティビティや語学の面でも学生さんに求めるレベルはありますでしょうか。

    河野:年齢、性別、国籍、大学の名前やTOEICの点数なんて関係ありません。サークルで幹事長をしていたり、部活の全国大会で優勝したりする必要もありません。

    もちろんそれらを経験していること自体は素晴らしいのですが、それ以上に「広告や企画をやりたいという強い想い」と「世の中にこれがあったらいいと思える気持ち」に勝るものはありません。

     

    聞こえのいい話をしてきましたが、プロジェクトを自分たちで全てプロデュースしようとするということは、本当に大変な仕事です。私たちは何ひとつ自分では持ち合わせていません。商品やブランド、工場や流通経路、版権にメディアも…持っていないものを繋ぎ合わせて企画を実現させるんです。そのために私も含め一日中、各方面に頭を下げて世の中に送り出しているんです。

    世界7カ国・地域(東京、ニューヨーク、ロンドン、上海、香港、ソウル、マカオ)に拠点を設けていますが「この世の中にありそうでなさそうな楽しいものを創る」「世の人が喜ぶことをやり続けよう」という気持ちで始めたことが、日本から世界のフィールドに変わっただけなんです。私自身英語の勉強を始めたのは40歳手前。今は中国語やイタリア語も勉強していますが、成長の源泉にはこの仕事に誠実に向き合い、楽しみたいという気持ちがあると思いますね。

     

    --------河野代表も含めCIRCUSで働いている方々はこの仕事を本当に楽しそうに取り組まれている印象を持ちました。

    河野:正直に言えばとてつもなく大変だからこそ、裏方としてプロジェクトを成し遂げることの達成感はかけがえのないものです。

    2022年にはパリサンジェルマンの日本ツアーを企画しました。その背景には、コロナの影響で東京五輪が延期になって2021年に無観客で行われたことがあります。当時国立競技場の近くに住んでいて誰も入れない競技場を見上げました。その時に「コロナが終わったらもう一度世界の扉を開いて、日本中の人たちを感動させるものを作ろう」と誓いました。未来がどうなるかわからず、誰も動き出せなかった中で当時のスター軍団だったパリサンジェルマンと交渉を始め、さまざまなリスクを背負った上で興行を実現させることができました。2025年にはMLBワールドツアーとしてドジャースとカブスの試合が東京ドームで行われましたが、伊藤園のプロモーションを行い、抽選でお客さまを招待しました。

    どちらの試合でもお客さまがこの世のものとは思えないほど喜んでいる姿を目にすることができました。

    日々のニュースを見ていると、経済や政治の問題、国同士の戦争といった色んなことが起きている。その中で私たちができることは「人を喜ばせること」に尽きるんだと感じました。その上で派手に面白いことをやれば良いという訳ではなく、どうやって商品を売るか、ブランド価値を高めるかということが目的であることが面白くも難しい仕事でしょうね。

    当たり前のように世界で戦うグローバルエージェンシーに。

    --------世界規模の案件が増える中で、海外事業に興味を持たれる学生さんも増えたとお伺いしました。

    河野:大企業だと海外に広く事業展開している会社はたくさんありますが、国内と海外を包括したグローバルサポートを提供できている広告代理店はほとんどありません。一方で、海外の各拠点を活かし、トータルプロデュースできることは私たちの大きな強みの一つですし、実際に誰もが知るようなスポーツIPから「日本のエージェントならCIRCUS」と言っていただけたり、海外のコンテンツ側からも評価されているところです。サウジアラビア政府とのプロジェクトや、アジアでの音楽コンサート興行などフィールドはさらに広がってきています。

    ただよく学生さんからも「ロンドンやニューヨークで勤務できるんですか?」と聞かれますが、本質はそんなことではありません。英語を話せないスタッフでも何度も海外に行ったり来たりしていますから。

    インバウンド、アウトバウンド含めて日本企業は世界を相手に必死で戦っていらっしゃいます。だからこそ私たちも世界を舞台に、私たちにしかできないことを実現していかなければいけません。

     

    幸いなことにこれまで世界規模の興行や広告を実現してきたことで、CIRCUSのことを認めててくれる人々も増えてきました。これからは日本のスモールユニークエージェンシーではなく、グローバルエージェンシーとしてもっともっと面白いことを仕掛けていきたいですね。

    何でもチャレンジできる。そのレベルが想定以上。

    --------それではここからは新卒で入社され活躍されている金井さんにお話を伺っていきたいと思います。入社前はどのような学生さんでしたか?

    金井:文学部の中の「美学美術史学専攻」に所属して、あくまで学問として「美とは何か」といった哲学的なテーマや美術史、西洋建築などを学んでいました。といっても、もともと興味はありましたけど趣味の範疇というか。テスト前にはちゃんと勉強するといった、本当に普通の大学生でしたね。

     

    --------就活時代はどのような企業を受けていたんでしょうか。

    金井:美術や表現の分野は変わらず好きだったので、その延長で広告業界は自然と候補に入っていました。エンタメ系でいくとテレビ局や出版社…いわゆる4マス中心にいろいろ受けたと思います。

    広告業界を目指す学生あるあるかもしれませんが、最初はコピーライターになりたいと思ってました。代理店もクリエイティブ局志望で選考を受けましたね。

    ただ就活を進める中で元々自分は悪く言うと器用貧乏、よく言うとジェネラリストタイプということを思い出し、「一つの分野を極めるより、色んなことを広く扱う方が向いている」と改めて考えました。能力値の五角形があるとしたら、何かひとつを研ぎ澄ませるよりも、その五角形をなるべく広く大きくすることが自分の価値を上げる手段としてふさわしいなと。スペシャリストよりも、スーパージェネラリストを目指そうという考えです。あとはスピード感のある成長環境も必須だなと思っていました。

    そう考えるとコピーライターといったクリエイティブ職は早々に諦めて(笑)。自分の特性を踏まえて、自分の五角形を伸ばすことができるかどうかを就活軸の一つとして見ていましたね。

     

    --------その中でCIRCUSとはどのように出会ったのでしょうか。

    金井:広告領域で、その時々の自分の伸ばしたい能力を伸ばせる機会が都合よく揃っている環境はなかなかないだろうなと思っていた頃に、たまたま就活サイトでCIRCUSを見つけました。最初は企業紹介ページのイラストが可愛いと思ったから覗いてみた程度の、本当に偶然で。

    そこで「トータルプロデュース事業」や「部署も役職もない、手をあげれば誰でも挑戦できる環境」、「CIRCUSの1年は他社の3年分」といった言葉がどんぴしゃで刺さりましたね。河野のプレゼンが上手だったんです(笑)。ここには私がある意味、器用貧乏と思っていたコンプレックスを強みに変えていくために必要な環境があると思えました。

     

    --------実際に入社されてからの印象はいかがでしたか?

    金井:良い意味でギャップだったのは入社前に言われていた「部署も役職もなくて、何でもチャレンジできる」という言葉の「何でも」のレベルが想像の何段も上だったことです。

    入社してすぐの企画会議に参加した時、心のどこかで「新卒のお試しアイデア出しくらいかな」と思っていたら、怒涛のダメ出しをいただきました(笑)。CIRCUSの社員としてお給料をいただいている以上、入社して1日目の新卒社員も、5年目の社員も全員平等。代表の河野自身も本当に対等な立場としてコミュニケーションを取ってくれます。

    入社して1週間くらいで好きなコンテンツに関する案件があり「私好きなんでやってみたいです」と手を挙げたらその日からチームに入れてもらえたりと…言葉通り本当に何でもチャレンジさせてもらえるんです。

    とはいえ仕事内容として任される範囲も広く、それだけ責任を負う場面も多くあります。入社したばかりで「何で新卒で入ったばかりなのにここまで言われなきゃいけないんだ」と辞めていった同期もいます。ただ私にとっては、それこそが自分の成長には一番良い環境だと信じられたので、ここまで続けているんでしょうね。

    とにかく食らいつくことで成長を遂げた。

    --------案件の規模や海外時間で働く方とのやり取りなど、仕事の大変さは想像に難くないのですが、実際にはいかがでしょうか。

    当然、定時で出社して定時で帰る、といった世界ではないです。

    ただ「自分が5年後10年後にどうなっていたいか」ってライフプランを就活の時に誰もが考えると思います。私も例えば「新卒で入社して10年後の32歳までには結婚して子どもがいたら…」とぼんやり考えていました。そうなると私がいったん何も考えずに仕事だけに突っ走ることができる時間って5年くらいしかないのかと。その時間の密度がとても貴重だと思いました。

    私自身は何か特別な才能がある訳ではないし、その時間でゆっくり育ててもらっても、人より抜きん出ることは難しいだろうと思ったので。とにかく成長したいという想いを抱きながら入社しましたし、大変なことも想像よりも遥かに多いのですが、それ以上にやりがいを持って楽しく働けていますね。

     

    --------この5年の間でご自身が成長を遂げられたと感じた瞬間はいつでしたか?

    個人的にブレイクスルーできたと思ったのは、入社3年目から取り組んでいる大谷翔平選手を起用した伊藤園さんの案件を任せていただいた時ですね。最初は新規案件として初回プレゼンの企画書を作成した流れから、契約が実現し、気づけばプロジェクトリーダーを任されまして(笑)。

    正直まだまだ実力的には足りてない状況で、必死にくらいついていったんです。代表の河野、海外案件の交渉が得意なスタッフ、プロデュースの中心スタッフと私の4人で毎日夜に定例会議を開いていました。「この連絡にはどう返事をするべきか」「温度感として1日待った方が伝わるんじゃないか」「この文章の英単語はこっちの方が良いんじゃないか」…海外のトップエージェントとの交渉について、どうすればプロジェクトが少しでも前進するのかを一言一句、言葉選びから検討するんです。

    私以外の3人はCIRCUSの中でも有数の実力者で、今まで自分が経験したことのないレベルの議論に無理やり入っていった状態。そこで考えなければいけない幅ってここまで広かったのかと気づけたんです。

    同時に社内チームの規模も10人ほどで弊社の中だけ見れば多い案件で。その中には自分よりはるかに先輩もいれば、少し下の後輩たちもいました。議論や打ち合わせを重ねつつ、同時にみんなにも指示をして現場を動かしていかなければいけない。

    企画からクライアントワーク、そして各メンバーを実際に動かすまでの全てに関わることができた。CIRCUSの掲げる「トータルプロデュース」の一端に挑戦できたと実感できた瞬間でした。

    今もっとも情熱を捧げることができること。

    --------CIRCUSに関心を抱いている学生さんに伝えたいことはありますか。

    日本のトップブランドである伊藤園さんと世界の大谷翔平選手のグローバル案件を、英語も喋れない3年目だった私が任せてもらえるなんて普通ありえない話です。

    やはり年次や経験にバイアスを持たずに意見を拾ってくれる環境は、自分自身の成長の助けになると感じています。自分が萎縮しなければ常に挑戦させてくれる空気も当然のようにあります。本当に広告の世界で何でもやりたくて、どれだけでも時間を投資するから成長したいと覚悟を持って志望する人にはこんなに良い環境はないと思います。逆にそこまで腹落ちしていない人には厳しい環境であることも間違いないです。

    ライフプランの話をしましたが、今の私は「一旦期限は決めずに満足するまでCIRCUSでやってみよう」と思っています。今の時間の95%くらいはCIRCUSでの仕事に使いたいと。私が自分の思い描く“五角形”の頂点にそれぞれ目指すべき人たちが社内にいるんです。その人たちのすごいところを吸収していけば、私の五角形も完成に近づくんじゃないかと思っています。

    そして何よりこの仕事がめっちゃ楽しいんです。プライベートを犠牲にしている、みたいな感覚もなくて。たまに友人との約束を急な仕事でドタキャンしてしまうことはありますが…(笑)。友人もそれは理解してくれていますし「今一番楽しくて、情熱を捧げられる」ことがCIRCUSにあると心から思っています。

     

    --------ありがとうございました。

    ありがとうございました。

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