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不動産×ITで業界構造の刷新を目指す、いえらぶGROUP。メインサービス「いえらぶCLOUD」を軸に、仲介会社、管理会社、消費者をつなぐプラットフォームビジネスを展開する。
同社は、仲介業のようないわゆる“不動産業”は行っていない。むしろ、不動産会社の業務効率化を図る第三者的立ち位置で業界構造の変革を図っているという。
一見、身近な不動産業界だが、ITでどのような構造変革に挑んでいるのか。今回は、執行役員人事本部部長の山口裕大氏と、若くして営業部の課長、また開発部の主任を務める社員2名にインタビュー。いえらぶGROUPのビジネスモデルとともに、社員の仕事ぶりを、本音で語ってもらった。
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(プロフィール)
山口 裕大(やまぐち・ゆうた)/人事本部管掌 執行役員
2010年、いえらぶGROUPに新卒入社。社長秘書、バックオフィス業務などに従事。2011年、採用業務を開始。2012年、沖縄への支社展開プロジェクトを担当し、沖縄支社の法人化を実現。14年、いえらぶ琉球取締役に就任。2016年、管理本部人事部の立ち上げ。包括的に採用・労務面に関わる。2022年より現職
杉原 佑哉(すぎはら・ゆうや)/新規顧客開拓営業 課長
早稲田大学法学部を卒業後、2019年に新卒入社。新規顧客開拓の営業部門に在籍し、2021年に係長に昇格。2022年12月より現職
城後 茉奈美(じょうご・まなみ)/Webエンジニア 主任
2020年、立教大学社会学部を卒業後、文系出身・未経験でWebエンジニアとしてのキャリアをスタート。内定者時代から数々の機能の開発に携わる。2021年12月より現職
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【「いえらぶ」を知る】
山口裕大(やまぐち・ゆうた)/人事本部管掌 執行役員
2010年、いえらぶGROUPに新卒入社。社長秘書、バックオフィス業務などに従事。2011年、採用業務を開始。2012年、沖縄への支社展開プロジェクトを担当し、沖縄支社の法人化を実現。14年、いえらぶ琉球取締役に就任。2016年、管理本部人事部の立ち上げ。包括的に採用・労務面に関わる。2022年より現職。
「紙・電話・FAX」超アナログ業界を変える挑戦
——いえらぶの事業について教えてください。
山口 よく〇〇テックと言いますが、我々は不動産×IT、いわゆる不動産テック企業です。
よく間違われるのですが、私たちは仲介や管理業務のような不動産業はやっていません。むしろ、そうした不動産会社に対してITサービスを提供している会社です。
不動産業界は、昔からあらゆる情報を「紙」で管理してきた非常にアナログな業界でした。
イメージしやすい例を挙げると、町の不動産屋さんの壁に間取り図が貼ってあったりしますよね。昔はあんな紙を何百枚も束にして、分厚いひと塊のファイルに「新宿区」といったラベルをつけてお客さんにどうぞと見せていたわけです。
紙で情報を管理しているので、新旧がごちゃごちゃになっていても自動で並び替えもできず、パソコンやスマホのように検索もかけられない。挙げ句の果てに、紙の保管が雑だと破れたり滲んだりして読めなくなっていたりします。
何より、これではお客さんに必要な情報を適切に届けることができません。
私たちは、こうした情報をデータベース化して、不動産会社の日常業務を楽にしようとしているんです。
(画像:いえらぶHPより)
——不動産会社の情報管理をしやすくしていると。
山口 不動産会社では、間取り図を作成したり、データ入力が必要だったり、またSUUMOやホームズのような家探しサイトに物件情報を出稿したりなどなど、さまざまな業務があります。
さらに言えば、これまで不動産仲介会社と管理会社のやりとりは電話かFAXが主流でした。そのため、すぐに欲しい情報があっても、相手が休みの日にはどうしようもない状況もしばしばありました。
我々は、こうした不動産会社のあらゆる困りごとに対して、弊社のメインプロダクトである「いえらぶCLOUD」というSaaS(Software as a service)を使うことで、時間を問わず完結できるようにしています。
つまり、不動産会社にとっての「プラットフォーム」を作っているわけです。これによって、消費者一人ひとりが快適に家探しができる世の中を作ろうとしているんです。
消費者のために、まず「企業」を変える
——消費者が家探しをするためであれば、直接、消費者に向けたBtoCサービスを作る方が直接的で良いように思えますが。
山口 普通に考えるとそうですよね。実際、SUUMOやアットホーム、ホームズなど、世の中にある多くの家探しサービスは基本的にBtoCのサービスです。
しかし、私たちはBtoCサービスを作ることが「快適な家探しがしづらい状況」という問題を解決する核ではないと思っています。むしろ不動産会社サイドの課題を解決することで、本当の家探しの快適さが実現できるはずだと。
それはなぜか。結局、不動産という商材は宅建(宅地建物取引士資格)を取得した不動産会社しか取り扱えないからです。
多くの人にとって、「家を買う」、あるいは「家を借りる」ことは長い人生で考えてもかなり大きな買い物でありながら、多くの人が経験します。
それにもかかわらず、不動産業ができる企業は限られており、長くアナログな構造が続いてきました。
執行役員の山口裕大氏
そうした状況では、手元で物件検索がしやすくなっても、情報提供者サイドの体制が変わっていないため本質的な課題解決にはつながりません。実際、いまでもいわゆる「おとり物件(サイトに表示されるが実際には借りられない物件)」は膨大に存在しているし、騙す気がなくても古い物件情報が載っていることもあります。
不動産会社の仕事を簡易化してあげれば、不動産会社はお客さんが良い物件と出会えるよう、親身になって考える時間を作れる。そうすることで、消費者のお部屋探しをするシーンを楽にしてあげられる。
だからこそ、先にお話ししたような「不動産会社の困りごと」を解決することで、全国13万社の根深い業界構造を根本的に変え、回り回って、消費者が家探しをしやすい世の中が実現できるのです。
「ピンと来ない」が入社動機
——お話を聞いてやっとイメージが湧いてきましたが、「不動産業界のプラットフォーム」とだけ聞くと、最初はピンと来ませんでした。
山口 実は、私も最初はそうでした。でも逆に、そのピンと来ないところが良いなと思って入社を決めたんです。
私は学生時代、「大企業」中心の就職活動をしていました。内定もいただいて、就職活動を終えようと思っていた矢先に、友人の付き添いで「スタートアップ」の説明会に参加したんです。
当時はSEO全盛期とも言える時代。どの企業も口を開けば「SEO(Serch Engine Optimizatioin: 検索エンジン最適化)」が重要だと言っていました。
いえらぶの説明会でも、やはりSEOの話をしていた。「またSEOか」と思って聞いていると、社長が「しかし、SEOへの特化は途中でやめる」と言い出したんです。
いったい何をするのかと詳しく話を聞きに行った時に、初めて現在のビジネス構想を聞きました。
しかしハッキリ言って、「不動産会社のアナログ文化を変える」と言われても、よくわかりませんでした。言ってることはわかるけど、ピンと来ない。
でもその「ピンと来ない」のがめちゃくちゃ良いと思ったんです。
——どういうことですか?
山口 人に説明してもピンと来ないんですよ。そんな事業、他社に真似されないじゃないですか。
私が入社時に一番恐れていたのは、大企業にお金と人を大量投下されてサービスを丸ごと奪い去られてしまうことでした。しかし、当時22歳でデジタルネイティブ世代の自分でもピンと来ないビジネスなら、大企業に真似される恐れは非常に小さいと考えたのです。
過去の例を見れば、サイバーエージェントだって、電通や博報堂が手を出さないうちにインターネット広告に進出し、業界トップに上り詰めました。ゲーム業界では、スクウェア・エニックス(SQUARE ENIX)のような大手が着手しない間に、いち早くスマホゲームに投資し、いまやメガベンチャーとなったのがDeNAです。
このビジネスにはそんな可能性があると思えたのです。
そしていま、いえらぶは不動産特化型のSaaS企業としては国内トップシェアを占め、さらなる事業拡大を図っています。
——現在はどのようなビジネスに注力しているのでしょうか。
山口 いま力を入れているのは、「駐車場×DX(Digital Transformation)」です。
私たちが駐車場を持っているわけではありません。駐車場は主に不動産会社が管理していることが多いので、そのDXを進めています。
街なかで、よく月極駐車場の看板を見かけますよね。簡単に言えば、あの看板にQRコードを載せる取り組みです。
QRコードを読み取れば、駐車場を借りたい人はわざわざ書類を用意する必要もなく、スマホ1台で契約まで漕ぎ着けられます。駐車場を貸す管理会社は、すべてシステム上で自動的に手続きを進めてもらえるので手間もかからず、データ管理も楽になる。
すでに関西の阪神高速道路の高架下にある駐車場はすべて、我々のシステムが導入されています。有力な駐車場は数多くあるので、これからまだまだ拡大する見込みです。
さらに他にも、SNSマーケティングや金融系のサービスなど、10以上の新規事業を行っています。
企業を知るには、「事業」を見るべし
——いえらぶにはどのような方が入社されていますか?
山口 うちには大きく分けて2パターンの人材がいます。「新卒」と「経営者」です。
まず新卒が非常に多く、従業員のうち7割が新卒入社です。
やはりデジタルネイティブの世代なので、そもそもITを使うことが彼らにとっては当たり前です。彼らは弊社のみならず日本にとって非常に貴重な感覚を持っており、事業作りにもさまざまな局面で力を発揮してくれます。
それに加え、弊社はこれまでにも多くの企業を買収しながら拡大してきたことで、経営者出身の人材が非常に多いんです。
ビジネスをドライブさせる力のある経営者と、これから柔軟にスキルや経験を身につけていこうとする新卒が融合することによって、もっと面白いサービスが作れると考えています。
——これから新卒で就職活動をする人々に、どのような期待をされますか。
山口 期待というより、常日頃から思うことを1つ言うなら、企業を選ぶ上で、「事業」を見ない手はないということです。
長く人事をやってきて思いますが、やはり新卒の就活では働きやすさを重視すると思うので、人や雰囲気で選びたくなります。もちろんそれも大切です。
ただ、決して、「人を重視する=事業を見なくていい」ではないと思うのです。
事業というのは、社風や、社長・従業員の人格がそのまま宿ります。社長も従業員も含め、全員で事業を育ててこそ会社は成り立っている。弊社の岩名(代表取締役)も良い意味で狂気じみたところがありますが、その熱が事業にそのまま表れてくるわけです。
その事業に共感できたり、一緒に作りたいと思えたりするかどうか。
ぜひそうした観点を持って企業を見ていくと、自ずと社風や人柄が見えてくるはず。だからこそ事業をちゃんと見てほしいなと、心の底から思います。
【社員インタビュー1】杉原佑哉さん 新規開拓営業 課長
ここからは2名の社員にインタビュー。なぜ、いえらぶに入社したのか、どのように仕事を覚えたのか、具体的な仕事内容など、ざっくばらんに本音で語っていただきました。
杉原 佑哉(すぎはら・ゆうや)/新規顧客開拓営業 課長
早稲田大学法学部を卒業後、2019年に新卒入社。新規顧客開拓の営業部門に在籍し、2021年に係長に昇格。2022年12月より現職
入社4年で「課長」に
ここからは2名の社員にインタビュー。なぜ、いえらぶに入社したのか、どのように仕事を覚えたのか、具体的な仕事内容など、ざっくばらんに本音で語っていただきました。
——杉原さんはどのようなお仕事をされているのでしょうか。
杉原 私は2019年に新卒入社し、2022年までは現場にバリバリ出て、企業にクラウドシステムやホームページ制作サービスなどを売る営業をしていました。
現在はメンバーがお客様から契約をいただけるよう、マネジメントに注力しています。
——どのような経緯で入社を?
杉原 就活時代、大手ばかり見ていたのですがあまりピンと来る会社がなく、1年間、就職浪人をしました。そこからベンチャー企業を見るようになった時に出会ったのが、いえらぶです。
いえらぶの採用過程では何人もの社員と接したのですが、他社と比べても社員が一番明るかったんです。
他社の社員はどこか疲弊しているように見えました。しかし、いえらぶにはそれがなく、だけど取り繕うわけでもなく、純粋に楽しそうに仕事をしている雰囲気があったんです。
ひとことで言うなら、突出した「活力」ですね。
どんな仕事も楽ではないはずです。でも、それ以上にやりがいがあることを感じて、入社を決めました。
新規顧客開拓営業 課長の杉原佑哉さん
——入社後は、どのように営業の仕事を覚えていったのでしょう。
杉原 うちは、まず現場に出るのが教育方針です。すべてを教えてもらう前に、一度現場に出てみる。
具体的には、新規営業ならまず最初にテレアポをしていきます。お客さんとアポイントが取れれば、ご挨拶でも何でもいいので実際にお会いして、何かお客さんに有益な情報を提供して帰ってくる。
訪問を繰り返す中で実際にニーズがマッチすれば契約になるし、マッチしなくても、わからなかった部分について不動産会社さんに質問させていただいたりもします。
「なるほど、こんな業界なのか」とか、逆に「こんな業種の会社なら、いえらぶはマッチしないかもしれない」といった経験や知識を増やすためにも、とにかく現場に出て覚えるのが一番早いんです。
——杉原さんは2022年、社内でトップセールスになったそうですね。何か営業として心掛けていたことはありますか。
杉原 心掛けていたのは、当たり前のレベルを上げることですね。
私はそんなに話が上手い方ではありません。たぶんうちの営業の中でも、最もコミュニケーション力のない人間でトップセールスになることができた初めてのタイプだと思います(笑)。
最初の1年間はまったく契約が取れませんでした。そんな特殊能力もない自分が契約を取るには、どうすればいいか。
そこで思ったのは、何か特別なスキルを身につけようとするのではなく、「当たり前」のレベルを上げるしかないということです。
例えば、お客さんの困りごとをよく深掘りする。相手の立場で考える。返信を早くする——言葉にしてみれば、当たり前なことばかりですよね。
でもこうした一般的に「当たり前」とされるものを、高いレベルで実践することを常に考えながら、地道に自分を変えてみたんです。
——「当たり前」に対する姿勢の変化が大きかったんですね。
杉原 もうひとつ、「お客さんの幸せを自分で決めない」ことも大切です。
例えば、いえらぶはホームページ制作を請け負っていますが、私は「そのホームページに多くの流入があれば、お客さんは幸せ」だと思い込んでいました。
しかし、お客さんの幸せは、私たちが勝手に決めることじゃないんですよね。
どうすればお客さんが幸せになるのか。それはただ案件の特徴で見るものではなく、会社それぞれ、人それぞれなんです。
そんな当たり前に気づいていく中で、徐々に契約を取れるようになり、昨年、トップセールスとなることができました。一時は契約が取れなさすぎてクビになるんじゃないかと思っていた自分にとっては、ちょっと信じられないことでしたね。
終始、穏やかな表情で答える杉原さん(右)。左は同時にインタビューした城後さん
営業に「正解」はない
——営業の中で、どのようなことに面白さを感じますか。
杉原 正解がないことです。営業って、「日頃の自分」によって、アプローチの仕方がいくらでも変わってくるんですよ。
例えば、クライアントに良い提案をするには、日頃からニュースを見て世の中の動向を把握しておく必要があるし、自社サービスの何がどうアップデートされているのか知っておく必要があります。
こうした「情報のキャッチアップ」を常にしておくんです。
逆に言えば、こうした努力を少しでもサボるとすぐに古いセールスパーソンになり、最終的に、社会の動向も、自社サービスのアップデートも、自分が「知らなかった」ことでお客さんを不幸にする結果につながります。
とはいえ、これはあくまで私自身のやり方です。最初に言ったように正解はありません。
いえらぶにも世の中にも、さまざまなセールスパーソンがいます。多様だからこそ、どう提案するか、何が強みかは人によって大きく変わる。ここが営業の面白いところです。
【社員インタビュー2】城後 茉奈美さん Webエンジニア 主任
城後 茉奈美(じょうご・まなみ)/Webエンジニア 主任
2020年、立教大学社会学部を卒業後、文系出身未経験からWebエンジニアとしてのキャリアをスタート。内定者時代から数々の機能の開発に携わる。2021年12月より現職
新卒にも「遠慮のない」会社
新卒にも「遠慮のない」会社
——続いて、城後さんにお話を伺います。現在、担当されている業務は?
城後 私はいま、いえらぶのサービスがどうすれば顧客にとって使いやすくなるかを考える、CX(Customer Experience:顧客体験)課での業務に取り組んでいます。
入社から昨年まで賃貸物件の管理システムを開発していましたが、2022年末に部署異動してきました。
——どのような経緯で入社したのでしょうか。
城後 私は学生時代、「一生懸命に働かせてくれるならどこでもいい」と思って就活をしていました。就活する中で、新卒に思い切り仕事させてくれる会社ってあまりないなと感じていたんです。
私は何をするにしても、「もっとこうした方がいいな」と考えてしまうし、それを言ってしまいます。考えちゃったからには、実現させたいと思っちゃう。それができずに制限されるような会社だと、私としてはしんどいだろうなと。
そう思っていた中で、思ったことを一番素直に話せて、それを受け入れてくれたのが、いえらぶだったんです。
Webエンジニア 主任の城後茉奈美さん
——思ったことを素直に言える。
城後 就職面接って、あまり自分の思ってることをそのまま言っちゃいけない感じがあるじゃないですか。「こう言った方がいいんだろうな」って、忖度しちゃうような。他社ではそれを感じていたんですが、いえらぶだけはその圧力がまったくありませんでした。
就活で自分が本心で考えてることも、悩んでることも言えちゃうし、聞いてもらえるし、話してもらえる。「あ、思ったことが素直に話せる!」って思ったのが、いえらぶに決めた私の理由です。
入社から3年が経ちましたが、その印象は変わっていません。すごく相性がいいんだろうなって思いますね。
「未経験」は関係ない
——現在のCX課では、どのようなお仕事を?
城後 簡単に言うと、メインサービスの「いえらぶCLOUD」をもっと使いやすくするための開発です。
社内で開発に携わる中で、「もっとこうなったら使いやすいのに」とサービスの大きな課題に気づいたんですが、その改善は元の部署ではできませんでした。
でもお客さんにうちのサービスをもっと好きになってもらいたいし、うちの社員にも、自社サービスをもっと好きになってほしい。そんな思いから、自ら希望を出して、自分のやりたい開発ができるCX課へ異動したんです。
——城後さんは、未経験かつ文系でエンジニアになったそうですが、入社時の配属先はご自身で志望されたのでしょうか。
城後 職種については、何も考えていませんでした。昔からパソコンも得意じゃないし、数字を扱うなんて程遠い人生で、どう考えても文系みたいな人間だったので、エンジニアがしたかったわけでもありません。
でも配属されたのが開発部だったので、エンジニアになったんです。
︎——未経験で最初から実務に入ることに、不安はなかったんですか?
城後 もちろん不安でした。
でも実際に文系からエンジニアをやってきて思うのは、「なぜかエンジニアという職種だけが不安がられすぎている」ということです。
新卒で就活している方々にも「(エンジニアは)未経験は不安なんですが、大丈夫ですか?」ってよく聞かれるんです。でも逆に、「エンジニア以外のどの仕事だったら、新卒で不安じゃないの?」って思うんです。
初めての仕事なら、営業だってやったことないわけだし、すべての職種が初めてじゃないですか。どれもが未経験のはず。
だからエンジニアでも何でも、心配することない。「未経験」なんてみんな同じだから関係ないんです。
「仕事」だからよかった
城後 私、「仕事で」プログラミングをやっていて本当に良かったなって思うんですよね。
——というと?
城後 もし学生時代にちょっとでもプログラミングを経験していたら、きっとエンジニアにならなかったと思うんですよ。
未経験なんて関係ないって言いましたけど、やっぱり最初は右も左もわかりません。よほど興味の強いものじゃないと続かないと思います。
もし「趣味で」プログラミングに触れていたとしたら、「こんなの私にはできない......」と思って、選択肢から完全に外してたと思うんです。
でも私は、「仕事で」プログラミングを始めたので、「ちょっとわかんないから、もうやめちゃおう」とかないんですよ。
どれだけわからなくても、明日も会社に来てソースコードを見ないといけないし、期日が決まってるから「やらなきゃ」って思う。それで続けられたことで、半年や1年が経った頃には、ちゃんと開発できるようになったんです。
——「未経験」で仕事をするのは、背水の陣を組める絶好のチャンスだと。
城後 まさにそう思います。
「未経験」はネガティブなことじゃないんです。むしろ、「未経験」かつ「仕事で」プログラミングを始められて本当に良かったなって思います。
——入社して、成長したと思えることは何ですか?
城後 具体的なスキルで言うと、プログラミングスキルがしっかり身につきましたね。いえらぶでエンジニアとして働けば、1年間くらいでプログラミング言語(PHP, JavaScript, HTML, CSS, MySQL)を普通に扱えるエンジニアになれます。
いえらぶで働いていると「できること」が毎日増えます。毎日、「今日はこれができるようになった」って思いながら帰れる。これはすごく嬉しいです。
もちろん日々開発していれば、できないことにもぶつかります。でも、毎週のように自分でググりながら開発を進めていくと、一つひとつ「できた」や「気づき」が増えていくんです。「今日は、このライブラリについてわかってきた〜」とか、「このコードは、どの書き方が良いんだろう?」とか。
それで、「今日も覚えたな、学んだな」って思って帰るんです。
これが入社してから毎日続いていますし、きっとこれからもそうなんだろうなと思えてますね。
「向き合える」人たちと働きたい
——最後にお2人に伺いますが、これからどんな人と一緒に働きたいですか。
杉原 僕は、「人と真摯に向き合える人」ですね。
営業は人と向き合う仕事なので、何より素直で、人と真摯に向き合えることが何より大切だと思います。
能力は気にしません。逆に言えば、真摯に向き合って努力できる人なら、その努力が報いるものになるだけのマネジメントはします。
城後 私は、「自分と愚直に向き合える人」ですかね。
やっぱり未経験でエンジニアになると、毎日わからないことから始まります。最初から楽しくてラクなんてあり得ない。だから、ひとつわからないくらいでへこたれない。ちゃんと調べてがんばる。
その積み重ねを振り返った時に、自分で意味を感じられることが大事です。
そうすればどんな仕事でも、一つひとつが大変でも、毎日大変でも、1週間を振り返った時に「今週も頑張ったな」って思いながら、楽しく続けられるんじゃないかなと思っています。
<企業概要>
いえらぶGROUP
2008年1月創業。「いい家選ぶ、いえらぶ。」をミッションとし、不動産会社の業務効率化を進める不動産業界に特化したIT企業。メインサービスである「いえらぶCLOUD」は約12,000社以上に利用され、業界No.1を誇る。