目次 [非表示]
こんにちは。シンアド就活(以下シンアド)インターン生のエリンギこと廣澤(@hh_erngi)です。今成長中の企業をインタビューするこの企画、今回お邪魔したのは「株式会社Gunosy」さんです。
Gunosyさんと言えば、もう皆さんもおわかりですよね。国内最大級の情報キュレーションサービス「グノシー」や「ニュースパス」「LUCRA(ルクラ)」の開発・運営をしている会社ですね。今日は、Gunosyさんのサービスに対する思いやこだわり、そして採用の際に大切にしていることについてうかがいました。
<お話を聞いた人>
執行役員 パートナーソリューションズ本部 広告事業企画部 副本部長
千葉 久義(ちば・ひさよし)さん
ライバルは、テレビ番組や雑誌。
ユーザー一人ひとりに合う情報を届けたい
エリンギ 御社のアプリ「グノシー」は私も利用させてもらっているので、「グノシー」をつくっていらっしゃる方々にお会いできるのを楽しみにしていました! 今日は宜しくお願いします。
まずは改めて、御社の事業内容を教えていただけますか?
千葉さん 当社は、“情報社会の課題をデータとアルゴリズムの力で解決していく” 会社で、3つのメディアを開発、運営しています。エリンギさんにもお使いいただいている「グノシー」、そしてニュースを届ける「ニュースパス」、女性向けの「LUCRA(ルクラ)」ですね。
それに加え、アドネットワーク事業を行っていて、他社のアプリなどに広告を配信することもしています。
エリンギ 特に「グノシー」は、いまや若い世代の多くの人が利用するメディアですが、事業を始めたきっかけは何だったのでしょう。
千葉さん 「グノシー」は人工知能を研究する東京大学大学院の3名が2013年に立ち上げた情報キュレーションサービスメディアでした。最初は、自分たちが持っている技術を生かして、自分たちや世間の人々が便利になるようなサービスが作れたらいいなと思ったところからスタートしました。
以前はRSSリーダ※が流行っており、たくさんサイトを登録して15分で1万記事を読む、ライフハックみたいなものはありましたが、読みづらく頭に入ってこないと感じ、グノシーのようなサービスがあったら便利なのでは? と思ったことがきかっけでした。
ちょうど同じくらいの時にSNSが出てきて個人のデータがたくさん収集できるようになったので、それを解析したら良いRSSのフィルターができるのではないか?という発想から、はじまったのです。
※RSS…Webサイトのニュースやブログの更新日付、タイトル、内容の要約などの情報を配信する技術。RSS リーダーは、リーダーに登録されたWebサイトのRSSをチェックし、新着情報のページタイトル、アドレス、見出し、要約、更新時刻などを表示する。その中から興味のある見出しをクリックすると該当ページが表示される。リーダーには複数のサイトを登録でき、短時間で複数サイトの新着情報を把握することが可能。
エリンギ 2013年ということは4年前。 たった4年間で「みんなが知っているメディア」になったなんて、すごいですね! 御社のメディアはそれぞれどのような特長があるのでしょうか。
千葉さん 「グノシー」と「ニュースパス」は、“体験を変える”ということを意識しています。グノシーはエンタメ寄りで、テレビに近い体験、「ニュースパス」はニュースを伝える新聞のような体験を目指しています。「LUCRA(ルクラ)」に関しては、女性に振り切っているので、女性誌のような体験にフォーカスしていますね。
エリンギ では競合として考えていらっしゃるのは、新聞やテレビなどWeb以外の媒体も含まれているのですね。では、その中で御社はどのような強みを持っていらっしゃるのですか?
千葉さん ユーザーが閲覧した記事などの行動データをもとに興味関心を分析し、膨大な記事の中からユーザー属性に合わせて記事を配信できることが最大の強みですね。
今までは、ニュースのアプリケーション自体がまだ少なかったので、ニュースを最適に並べ替えるということだけで価値を出せていました。しかしこれからは、みんなに同じ情報を届けるのではなく、一人ひとりに合った情報を届けることが価値になると思います。パーソナライズを強化していかないと。
エリンギ パーソナライズの強化をするために具体的に取り組まれている施策はありますか?
千葉さん はい、ユーザーの行動を重要視しています。単にアンケートを取るのではなく、ユーザーがアプリの中でどのような動きをしているのか、どの記事にどのくらい滞在して、何%読んだのかなど、行動から好みなどを深く学習します。性別はほぼ判別できますし、記事を読了したかどうかもわかるんです。
エリンギ パーソナライズが強化されていくと、さらに個人に寄った情報が配信されるようになるのですね。
千葉さん はい、ただユーザーは、自分が興味の持っている情報だけが出てき過ぎると、逆に疲れてしまいます。「グノシー」でも、以前はより個人に寄せる方向でパーソナライズを行っていましたが、最初はすごく読まれても、似たような記事になってしまい、だんだんと読まれなくなる。だから、「誰もが知りたいニュース」も求められているのかなと思っています。
オリジナルコンテンツをつくる!
市場にまだない、新たな“体験”に挑戦
エリンギ 女性向けのメディア「LUCRA(ルクラ)」について教えてください。競合がひしめき合う市場だと思います。なぜ今、参入しようと思ったのですか。
千葉さん 「グノシー」や「ニュースパス」で自信をつけたというのがひとつの理由です。ユーザーの行動を正しく反映することができる、だから女性向けのアプリに関しても同じようなアプローチでやっていける可能性があると考えました。また、市場分析もしましたしマーケティング部分でユーザー獲得もできると踏んでいたのです。
ただ、当社の他2つのメディアと少し違うと感じていることもあります。ひとつは、女の子が言う「かわいい」という概念が、今までのデータ分析だけでは解明できないということ(笑)。その点はまだ試行錯誤しています。
それからもうひとつは、タイムリー性です。ニュースに大事なのはタイムリー性ですが、「LUCRA(ルクラ)」は女性が好む雑誌の記事のようなイメージなので、大事なのはタイムリー性ではなく、ストックして後で読めることです。単純に“新しいから良い記事”ではないということが、他のメディアと違うところですね。
エリンギ 競合にあたるメディアがひしめき合う中で、「LUCRA(ルクラ)」がすでに100万ダウンロードを突破されているのは、こうした理由からなのですね。
今、御社は「ユーザー関与型LIVE動画コンテンツ」の制作にも取り組んでいらっしゃるとうかがっています。今後伸びていく市場であるということを踏んで参入されたと思うのですが、勝ち残っていくために、どのような展望をお持ちでしょうか。
千葉さん 当社が今までやってきたことはニュースを並べ替えることでしたが、それは自分たちのオリジナルのコンテンツではありません。これからはオリジナルのコンテンツで人を呼ぶ、ということができないと、市場で勝ち残れないと考えました。それがLIVEにこだわった理由です。
LIVEの体験はまだ市場に出てきていません。海外では、たとえばHQ※などがその例ですが、ものすごい数のアクセスがインタラクティブに行われていて、LIVEの体験が盛り上がっています。だから当社でも、挑戦してみたいと思っています。
私たちは、動画を作ることに関してまだノウハウが多くありません。だから人気動画メディアを運営されている株式会社エブリーさんと一緒に進めているのです。
情報はニュースに限りません。情報と人のマッチングを助ける会社である以上、動画やコンテンツが増え続ける中で情報を最適化できる領域には、新たにサービスを拡大していきます。
※HQ Trivia…ライブストリーミングによるクイズゲームアプリ
「数字で会話」「三方良し」は不可欠。
生意気だと、もっといい(笑)
エリンギ 採用についても教えてください。新卒の社員にはどのようなことを求めていますか?
千葉さん 当社が一番大切にしていることは「何事に関しても数字で会話する」ということです。立場関係なく数字の議論になるので、これが苦手な人は少々厳しかもしれません。
たとえば、何かの施策をやりたいと思っても、“やりたい”と主張するだけでは他の社員が認めてくれません。たとえ代表の福島の主張であったとしても同様です。理由を数字で証明できなければ認められないのです。すべての決断は数字に基づいています。
失敗しても怒られるわけではありません。ただし、その失敗は予測できていたのか、その失敗の先には何があるのかを議論できる人を求めています。
エリンギ 採用の過程の中で「数字的根拠を持って具体的な話ができるかどうか」は、どう判断していますか?
数字で話ができるというのは、ロジカルに話を組み立てられるかどうかだと思います。論理立てて話ができているかどうかを見ていますね。
エリンギ 「数字で話ができる」というのは全社員に必要な素養だと思うのですが、他に大切にされていることはありますか?
千葉さん 「三方良し」ですね。一方的にならず、社会的な課題、ユーザーが求めているもの、パートナー企業にとってよりよい状態を様々な視点で考えます。
エリンギ その上で、特に活躍している人はどのような人でしょう?
千葉さん 生意気な人ですね(笑) 根拠を持って臆せずに意見を言ってくれる人に対しては、立場に関係なくきちんと聞きます。
それに新卒社員は、今までなかった視点を突いてくるんです。広告の仕事をずっとやってきた人からすると当たり前のことが、彼らにとっては当たり前ではないから。ロジックも当たり前ではないところから組み立てるので「確かに、その視点があった」と気づきを与えてくれることが有難いのです。実際新卒社員の意見が採用された例もたくさんありますよ。
エリンギ 研修や教育制度についてはいかがでしょうか。
千葉さん 当社はスピード感を大切にしているので、長い研修は不要だと考えています。研修で行わなくても、日々の業務をこなすことで自然と身につくからです。それに、受け身ではなく自分から積極的に前に進める学生を採用していると思っています。
エリンギ 実践で覚えていくというやり方によって、新卒社員の皆さんのモチベーションが自然と上がっているのですね。
千葉さん そうですね。特別な教育制度はないのですが、コミュニケーションを取りやすくするための活動はあります。野球部やフットサル部などの部活ですね。部活に来てくれれば、普段仕事で話せないことも気軽に話せますし、聞きたいことも聞きやすくなるので良い制度だと思っています。
それから、弊社は敢えてフレックス制を取り入れていません。生産性を上げるための施策でもあるのですが、同じ時間に全社員が同じ空間にいることでコミュニケーションがとりやすくなるというのがその理由です。
エリンギ 社内のコミュニケーションをとても大切にされているのですね。年次に関係なく意見が言えて、取り入れていただけるという社風も、魅力的です。競合のメディアをテレビや雑誌など幅広くとらえていらっしゃることを知り、改めて勉強になりました。
今日は、お忙しい中どうもありがとうございました!
続きまして、入社1年目の社員さんにもインタビュー。お答えいただいたのは、藤井大輝さんです。
スピード感とストイックさが魅力!
飾らず本音で話す社風にも惹かれた
<お話を聞いた人>
パートナーソリューションズ本部 プレミアム広告セールス部
藤井 大輝(ふじい・たいき)さん
エリンギ 入社を決めたきっかけを教えてください。
藤井さん まずは人ですね。面接で出会った社員の方々が皆、飾らず本音で話してくれたことに魅力を感じました。その飾らない雰囲気が心地よくて、私自身も背伸びをせずに等身大で話をすることができました。
事業に関しては、ニュースアプリにこだわっているわけではなく、データとアルゴリズムの技術を軸に、事業を横展開し、新しいことに挑戦し続ける姿勢に惹かれました。
エリンギ 人に惹かれたとのことですが、御社にはどのような方が多いのですか?
藤井さん 仕事面ではとにかくスピード感があります。即レスは当たり前、聞けばすぐに答えてもらえます。そしてプライベートは……ストイックなんです(笑) たとえば、私は野球部に入っているのですが、打者を評価する数値がすべて出ます。試合後もフィードバックがもらえる。
それから野球部の先輩に、軟式野球日本代表の人がいます。仕事もできる方です、プライベートとの両立を徹底しているストイックな姿勢に惹かれます。
エリンギ 部活でも自己を磨く姿勢が徹底していらっしゃるのですね! 本気さが伝わってきます。藤井さんは、御社のサマーインターンにも参加されていたとうかがっています。 参加してみてどうでしたか?
藤井さん 私はゼミの先生から紹介していただき応募したのですが、東大生などの優秀な大学からの参加者が多く、アウトプットの質も高かったです。「この企業は学生から一目置かれている企業なのだな」と感じて、興味がより深くなりました。
エリンギ 就活もそのままIT系に?
藤井さん いいえ、いろいろな企業を見ました。人材も金融も不動産も。中でも面白そうな会社は何社かあり、共通しているのは「人」に魅力を感じたことでした。「一緒に働く人」を軸にしていたわけではないのですが、気付いたら「人」が魅力的な会社ばかりを選んでいたのです。
当社に決めたのも、デジタル業界を意識したわけではなく、社風がフィットしたからです。それまでデジタルの知識は全くありませんでした。
エリンギ 入社前後で、御社の印象はどう違いましたか?
藤井さん 学生の頃は、ベンチャー企業は一年目から放り出されるという厳しい環境だと思っていました。でも、いざ働いてみると、先輩方はとても親切で、丁寧に教えてくれて。そこがギャップでしたね。そして1から10まで教えるのではなく「藤井君はどう思うの?」と私の意見を聞いてくれるので、自分で考える癖もつきますし、より早く覚えることができます。
エリンギ 入社したばかりの頃はどのように仕事を覚えたのでしょうか?
藤井さん メンターやOJT担当の先輩と一緒に業務に触れ、数字を見ながら覚えます。でも受け身でいるのではなく、自分でキャッチアップしていかないと学べないと思っています。それに私の場合は、内定後にインターンをさせてもらっていたので、4月の入社時には、すでに自分の仕事を理解している状態でした。
たとえクライアントを否定することになっても、本当に良いと思う方法を提案したい
エリンギ 現在の担当業務についてお聞かせください。
藤井さん 直販チームとメディアブーストという2つの軸で仕事をしています。直販チームでは、直接ナショナルクライアントさんに課題解決の提案をします。
メディアブーストはメディアさんに対して当社の商品を提案するのですが、こちらは私が1人で担当しています。クライアントさんとメディアさん、どちらとも関わることができるので、とても面白いと思っています。
エリンギ 特にやりがいを感じるときはどんなときでしょうか。
藤井さん やはり、クライアントさんに喜んでいただけると嬉しいですね。他のクライアントさんでも同じように喜んでいただけるように頑張ろうと思えます。
エリンギ 価値を生み出したからこそ喜んでいただけたのだと思うのですが、具体的に事例がありましたら教えてください。
藤井さん クライアントさんの要望をそのまま受け入れるのではなく、新たな提案をしたことがありました。課題解決のための最適な方法を考え、クライアントさんの要望よりも別の方法が最適だと判断したから正直に伝えて。だからこそwin-winの関係が築けるのだと思いますし、それが喜んでいただける価値につながったのだと思います。
エリンギ クライアントさんがおっしゃったことをそのまま受け入れず、その先の本当の目的について考えているからこそ、自信を持ってご提案ができるのですね。ご提案をするためには、知識も必要だと思うのですが、情報収集に関しては、普段から意識していることはありますか?
藤井さん 触れるものに対する考えが変わりました。街中の広告を見て「なぜこの広告を出しているのだろう」と。「なぜ当社のサービスは使わないのか」とも考えます(笑)。やっぱり自社の商品は良いと自負しているので!
それから普段の会話も意識しています。抽象的な内容はより具体的に掘り下げて、明確にします。そうすると課題が見えてきますから。
エリンギ 仕事以外の時間も、成長につながるインプットとアウトプットを意識されているのですね。それでは最後に、今後チャレンジしたいことについて教えてください。
藤井さん 何よりまずは、「藤井大輝」として仕事をいただけるようになりたいです。今はまだ先輩の引継ぎや、Gunosyの社員だからという会社のネームバリューのおかげで仕事をもらえている部分もあると思います。だから、1日でも早く、「藤井大輝」という自身の魅力も売り込んで、仕事を獲得できるようになりたいですね。
エリンギ すでにもう活躍されているのに、とても謙虚でいらっしゃいますね。主体的に仕事に取り組み、意識的に学ぶ姿勢、私もこれから社会人になる身として、見習いたいと思いました。藤井さん、今日はどうもありがとございました!
インタビュー:2018年1月