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広告業界と一言に言っても、その仕事内容は多岐にわたります。
業界内でどんな仕事をして活躍したいのかというビジョンを明確にしておかなければ、自分に合った仕事ができず、マイナスイメージばかりが根付いてしまう可能性があります。
高収入、安定などの言葉から多くの人に人気のある広告業界ですが、実際はどんな仕事があるのかを詳しく見ていきましょう。
「広告業界の仕事」
広告業界の仕事は、大きく分けると3つに分類できます。
営業
まずは、営業です。
広告代理店は、自社の商品やサービスを販売したいというクライアントと、人々に広く宣伝していくメディアを結びつける役割があります。
営業は、仕事を獲得しなければならないので、依頼をしてくれる人を探すために日頃から人脈を広げたり、アンテナを張ったりして、いち早く仕事を獲得するために行動しなければなりません。
広告代理店の中には、クライアントの方から依頼がくることもあるでしょう。
しかし、それに甘んじていては業績アップにつながりません。
仕事の受注の仕方は様々です。
クライアントから依頼があれば、その内容に従って企画を考えて提案することもありますが、コンペを勝ち抜いて受注につなげなければならない場合もあります。
コンペというのは、複数社の代理店が集まり、それぞれ企画を提案し、クライアントが気に入ったものを1つ選んで採用することで正式な受注となるやり方です。
クライアント側からすれば、たくさんある広告代理店の中から、成果が期待できるかどうかを複数社で比較した上で依頼先を選べるというメリットがあるため、あえてコンペを行うことが多い傾向にあります。
営業は、このコンペを勝ち抜いて仕事を獲得するために、しっかりと企画を練って提案し、資料作成やプレゼンなどを重ねていかなければなりません。
無事に仕事を獲得したら、その後は予算やスケジュールの調整を行い、円滑に企画を進められるように管理をしていく必要があります。
クライアントが何を求めているのかを察知し、それにあわせた柔軟な提案ができるかどうか、また良好な関係を築いていくためのコミュニケーション力も必要となる仕事です。
マーケティング
次に、マーケティングです。
広告業界において、マーケティングは頭脳と言っても過言ではないポジションです。
宣伝する商品がどんなに素晴らしいものであっても、市場のニーズに合っていなければ売れません。
また、企画やメディアの宣伝方法においても、クオリティの高さだけを重視していては自己満足の仕事になってしまい、
数字としての結果が得られない可能性もあります。
つまり、宣伝を行って売れるようにするためには、企画内容がターゲットからずれていないかどうか、市場が求めていることに対応できるかどうかなどを考えていく必要があるのです。
マーケティング部門は、市場調査はもちろんのこと、今までの実績や傾向などから、適した広告を導き出す役割を果たします。
まずは、調査と分析を行った結果から、目標を数値化して設定していき、今後の方針をクライアントや営業、メディアに伝えていきます。
全員が情報共有していくことで、より効果的な広告へとつなげられるのです。
クリエイティブ
最後にクリエイティブです。
営業やマーケティングが作った企画のベースに従って、具体的なアイディアを形にしていきます。
企画内容や、ターゲット層を考えながら適したメディアを選んだり、人々の目に留まるような演出を考えたりします。
具体的に言えば、販促ツールやグラフィック広告、Webサイトやその他の広告に使用する文言などを考えるのが仕事です。
どうすればクライアントの要望に応えられるような表現ができるかを考えて形にしていかなければならないので、柔軟なアイディアが出せる能力や、それを人が見ても分かるように形にしたり、データにして伝えたりする能力も必要です。
そのため、デザイン系の勉強をしてきた人や、パソコンスキルがある人に適した分野だと言えるでしょう。
このように、広告業界にはいくつかの分野があります。どれが欠けても成り立たない仕事で、1つの案件に対して全部の部門が関わっていくことになるので、クライアントやメディアだけではなく、社内でのチームワークも重要となります。
「必要な能力やスキル」
では、広告業界に入るためには、どんな能力やスキルが必要なのでしょうか?
前述で少し触れましたが、それぞれの部門の特徴を交えて、求められる人材について詳しく見ていきましょう。
営業
まず営業ですが、冷静に人を観察できる能力が必要です。
もちろん仕事を獲得していく上では、コミュニケーション力や積極性なども大切なのですが、それは営業であればできて当たり前です。
その上でより重要となってくるのが観察能力なのです。
クライアントが広告代理店に仕事を依頼するのは、付き合いがあるなどの理由ではない限り、ほとんどがコンペによって受注先を決めるスタイルとなります。
数多くの提案を見ることができますし、それによってクライアント自身も新しい発見ができるというメリットがあるからです。
どこの広告代理店も、受注してもらうために一生懸命企画を考え、クライアントとの信頼関係を築いていこうと積極的に動き出すでしょう。
しかし、こういった人はみなコミュニケーション力があるので、その中で秀でるためには、その上を考えた行動をとらなければなりません。
コンペ前には、クライアントが商品説明を行う会議が行われます。
それをもとに営業が企画を提案するのですが、ただ言われたことだけを形にする仕事では、受注は見込めないでしょう。
クライアントが求めているのは、要望を形にすることだけではなく、それ以上の提案をしてくれることです。
「もっとこうした方が結果が出ると思う」というアイディアを欲しているので、その気持ちを汲んでくれる営業でなければ、今後の仕事には結びつかないでしょう。
相手が何を求めて広告の依頼をしているのか、また、クライアントが目標としている数値をどうすれば達成でき、それ以上の結果をもたらすことができるのかをしっかり考えながら、クライアントの本心を探るように観察をする冷静さや注意深さが必要です。
マーケティング
次にマーケティングですが、これは世の中の動きや人の声に注目できる能力が必要です。
自分の考えや感性を重視してしまう人には務まらないポジションだと言えるでしょう。
日頃から周りの人の声に耳を傾け、流行をリサーチし、「なぜ」と思ったことをとことん追求していこうという探求心を持っているという人は、マーケティングの仕事に向いていると言えます。
クリエイティブ
最後にクリエイティブですが、常に新しいものを求める姿勢が必要です。
広告というのは身近にあふれていますが、それらを参考にしているだけでは、ただの二番煎じになってしまいます。
1つの作品を生み出すためには、オリジナル性が必要不可欠です。
その上、クライアントが気に入ってくれるものに仕上げなければならないので、柔軟に対応できる姿勢と、自分にしかできないことをしようという前向きな気持ちがなければ務まりません。
「最後に」
この他にも広告業界には様々な仕事がありますが、資格がない新卒者でも業界で働くことは可能です。
中には、マーケティングやクリエイティブのように資格が必要な場合もありますが、持っているスキルだけではなく、人間性も重要となる業界なので、自分の長所をどんな仕事で活かしていけるのかを明確にすれば、人気の広告業界でも活躍していけるでしょう。