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就活中の学生なら、一度は面接の模範解答を網羅した質問集を目にしたことがあるでしょう。
ですが、他の学生と差を付けたいなら丸暗記した答えや装飾した程度の回答では十分とは言えません。失敗が許されない一発勝負の面接で勝ち残るためには、定番質問に隠された面接官の意図を理解しておくのが重要。そのうえで、ポイントを押さえた回答を準備しておきましょう。
志望動機は何ですか?
就職の面接で必ずと言って良いほど聞かれるのが、志望動機についてです。この質問をする面接官は、3つのポイントを回答から読み取ろうとしています。
最も重要なのが「会社への熱意」です。他の会社ではなく、どうしてもこの会社に入社したいという強い意思を簡潔に伝えなければなりません。
また、回答の内容から人柄を読み取りつつ会社との適性を確かめようとしています。会社の特徴や強みを的確に捉えていれば、リサーチ能力に長けていてどんな人材を求めているか理解している学生だと分かります。
3つ目は、学生と会社のビジョンが一致しているかどうかです。この点をアピールするには、面接を受けている会社が将来どのような発展を目指しているのかを知る必要があります。
つまり、その会社だけでなく業界全体の動向も入念にリサーチしておく必要があるのです。ただし、単純に海外で働きたい、日本のモノ作りを支えたいというありきたりな回答では物足りません。
なぜそのようなビジョンを抱くようになったのか、きっかけを回答に含めると真実味が増します。
自己PRをしてください!
絶好の売り込みポイントであると同時に、意外と難易度が高いのが自己PRです。
この質問には、会社にとって必要な資質や能力を満たしているか、自己を正しく認識しているかの2つの意図が隠されています。転職の面接であれば過去の実績からシステマチックに評価できますが、新卒の面接では裏付けの取りようがありません。
そのため、自己PRの根拠となる過去のエピソードを織り交ぜて、面接官がイメージしやすいように回答する必要があります。本人の強みと過去の体験に一貫性がなかったり関連性が薄かったりする回答は逆効果。疑わしい印象を与えてしまいます。
例えば、一度は資格取得に失敗したが何が足りなかったのかを突き止めて、自分に課題を課し目標をクリアできた…という回答なら自己分析力とポテンシャルの両方をアピールできます。
学生時代に最も頑張ったことは何ですか?
「ガクチカ」とう俗語が登場するほど、就活の面接で定番となっているのがこちらの質問です。ですが、大手人材派遣会社の調査によると学生時代に打ち込んでいた活動自体を重要視している企業は全体の23%程度という調査結果が報告されています。
つまり、アルバイトやボランティア、サークル活動などにどれだけ力を注いでいたかを答えるだけでは不十分と言えるでしょう。なぜなら、面接官はこの質問を通して学生の人柄や将来性を読み取ろうとしているからです。
そこで、まず成果として具体的な数字をあげて簡潔に答えます。続いて、なぜその活動を選んで努力していたのか動機を説明しましょう。
将来のビジョンを実現するために必要な経験であり、入社してからも役立つ経験だったと分かって貰えれば絶好のアピールになります。特に、多くの企業で高く評価されているのが、リーダーシップを発揮できる経験です。
今後の活躍に期待が持てるだけでなく、企業人として不可欠なグループで1つの仕事を成し遂げる能力も持ち合わせている人材だと評価できるからでしょう。
屈折や失敗体験について教えてください!
近年、増えているのが挫折や失敗経験についての質問です。自分の良いところをアピールすべき面接の場で聞かれても、どう答えて良いのか戸惑いますよね。
この質問には、将来の可能性とリスクを知りたいという意図が含まれています。人手不足が深刻な日本の企業にとって、高い離職率は解決すべき難題の一つです。
もちろん仕事に失敗はつきもの。だからこそ些細なミスで退職してしまうような、打たれ弱い人材は好まれません。
多くの企業が求めているのは、ミスはしても挫折から立ち直る力を秘めている人や失敗から学んでワンランク成長できるような人材なのです。
とは言え、単純に失敗例を並べても意味がありません。挫折や失敗経験についての質問に答える時は、4部構成のストーリー仕立てで回答するのがポイントです。
まず、挫折した事実を伝えつつ、その時どれほどのショックを受けたのかを正直に説明します。
続いて、どんな対策を立てて克服したのか、結果として挫折からどんな「学び」が得られたのかを一連の流れで答えましょう。メンタルの再生力をアピールできれば成功です。
あなたの長所は何ですか?
この質問は、企業が求めている人材像とのマッチングや学生本人の自己理解力の有無を見極めるのが目的です。毎年行われるプロ野球チームのドラフト会議では、不足している人材にターゲットを絞っていますよね。
同様に、それぞれの企業には組織として必要な人材像があります。
事務処理能力が高く簿記や会計士の資格を保有している学生は間違いなく優秀ではありますが、営業力が課題となっている企業にとっては即戦力となる魅力的な人材とは言い切れません。逆に、希望していない部署に配属されてしまう可能性も高まります。
また、共同作業では、チームの中で自分の長所を発揮できる役割を見つけなければなりません。だからこそ、強みを正しく自覚している人ほど共同作業で活躍できると言われているのでしょう。
あなたの短所は何ですか?
長所よりも人柄が見極めやすいと言われているのが短所に関する質問です。
人は少なからず他人に良く見られたいと思うものですが、人生のターニングポイントに立っている就活中の学生なら尚更でしょう。マイナス評価を避けたいあまり、思わず短所を隠そうとする学生も少なくありません。
ですが、この問題では能力や適性だけでなく誠実さや人柄もチェックされていますので正直に答えるのが正解。自分の短所を認めない人は、傲慢で上司に注意されても反省しない傾向があります。
その反面、自分の短所を素直に認められる人は、成長できる余地があると評価できるのです。
だからと言って、あえて業務上の致命的な短所を答える必要はありません。コツは、仕事の内容に支障のない短所または短所を長所として活かせるタイプを選ぶこと。
例えば、夢中になると頑張りすぎてブレーキが効かなくなるという短所は、研究職や開発に携わる仕事に就くとプラスの効果を発揮しますし、細かいことに拘り過ぎるという短所は精密な作業や金融マンとして有利に働きます。
ちなみに、短所を克服するために努力しているなら、どれくらい改善しているかも伝えた方が良いでしょう。
当社が第一志望ですか?
多くの学生を悩ませるのが、こちらの質問です。
似たようなケースで他の会社から内定をもらっていますかと聞かれる質問がありますが、どちらも嘘をつくべきか、それとも正直に答えるべきか悩ましい質問ですよね。
企業側としては内定を出したら入社してくれるかどうかを確認したいのですから、たとえ第三希望であっても「はい、御社が第一志望です。」と即答するのが正解。言いよどむと熱意を疑われてしまいますので注意しましょう。
更に、第一志望だと面接官が納得できる理由を加えるのがポイントです。
面接官の意図を読み取るのがコツ!
採用の面接で意味のない質問をする面接官はいません。なぜなら、学生だけでなく新しい社員を雇う企業側にとっても限られた時間で必要な人材かどうかを見極める真剣勝負の場だからです。
面接は、就活中の学生にとって避けては通れないハードルですが、質問の意図が理解できれば自ずと答えるべき正解が見えてきます。業界・企業研究を入念に行って万全の準備で臨みましょう。