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就職活動において自己分析を行うことは、もはや当たり前の工程になっています。しかし自分がどんな人間なのかすぐに答えられる人は稀ですし、表面をなぞっただけの自己分析では就活に活かすことができません。
今回は、自己分析のわかりやすい方法を10個ご紹介します。自分がどんな人間なのか知って、進むべき道筋を探していきましょう。
【方法1】自分史をまとめる
自己分析のわかりやすい方法としてまずご紹介したいのは自分史を作成する方法です。
これは過去の経験を時系列順にノートに書き出していく方法です。
生まれてから現在に至るまでの出来事を思い出して、できる限り多く書き出していきましょう。
このとき、文章ではなく年表形式で書き出すのがおすすめです。後で見返しやすくなりますし、書き加えたいことを思い出したときにまとめやすくなるからです。
自分史によって、自分が今までにどのような道を歩んできたかを知り、どんな立場で何をしてきたかを年表項目を通して把握することができます。
中には「この時があったからこの進路につながった」という流れに改めて気づけることもあるかもしれません。
【方法2】人生の各場面で感じたことを書く
2番目の方法は、人生の各場面で自分が感じてきたことを書き出す方法です。これは、1番目にご紹介した自分史を作ってその年表を活用し、折々のエピソード(年表項目)で自分がどんなことを感じたのかをまとめるのが効率的です。
一見、就活には直結しないように感じるかもしれませんが、それは現在の自分の価値観を知るための大きな材料になります。
自分史の年表のように時系列で並べるのが難しいときは、中学校、高校、大学と場面ごとに区切る方法もおすすめです。要所要所で区切ることで、出来事を鮮明に思い出すことができます。
区切り終えたら「一番記憶に残っていること」「一番苦労したこと」「一番楽しかったこと」などその時々のエピソードを深堀していきます。これらはエントリーシートや面接で問われるのと同じ切り口です。
自分を考えるのと同時に、答えを考える練習にもなります。
またなぜそのエピソードを思い出したのか、というところまで考えることができれば、志望動機を考える参考にできます。
【方法3】モチベーショングラフを書く
自分の過去を遡る際、頭にイメージするだけでなく、書き出してまとめることは非常に有効です。自分を深く知るきっかけになりますし、自分について人に伝えるにはどう表現するかがわかります。また、形にすることで見返しやすくなります。
ただし、書き出すと言っても、何も文字・文章の形にこだわる必要はありません。自己分析を行う上で、グラフを使うという方法もあります。中でも自己分析に有効な方法の1つがモチベーショングラフです。
モチベーショングラフを書くことで、自分がどんなときにやる気を発揮し、どんなときにやる気を失ってしまうか知ることができます。これはどのような環境に身を置けばモチベーション高く働けるかを知るための材料になるのです。
【方法4】マインドマップを作成する
グラフとともに自己分析を可視化するもう一つの方法として、マインドマップを作成するのも有効な方法です。
では、就活のための自己分析が目的のマインドマップを作ってみましょう。
まっ白な紙を用意し、中央にメインとなる主題を書きます。
就活の自己分析なので、主題は自分の名前や、自分のイメージを書くと良いでしょう。
次に中央から主なカテゴリとなるメイン・ブランチ(太い枝)を数本書き、そこから連想することを項目としてサブ・ブランチ(先の枝)として繋いでいきます。
例えば、バスケットボールをしている人なら、カテゴリに「バスケットボール」、そこから連想する項目に「部活」、さらにつながって「部長」のように枝分かれをしていきます。
マインドマップを書くことで、今自分の頭の中で起こっていることが整理されて見えるようになります。自己分析が効率的に行えるのはもちろんのこと、考えの繋がりも知ることが可能です。
【方法5】周囲から意見を聞く(他己分析・1)
周囲の人から意見を聞くのも自己分析の1つの手段と言えます。他人に分析してもらうことで他己分析とも言われる方法です。
自分では自分自身のことをこういう人間だと思っていても、第三者からは全く違う姿が見えているかもしれません。
客観的な自分の姿を教えてもらうことで、思いもよらなかった自分の長所や短所に気付くことができます。
自分と周囲の認識の違いを知ることも、自分を知るための方法なのです。
この他己分析を頼む際は、親や友人だけではなく、社会人経験がある人などいろいろな人の視線から自分を見てもらうことが大切です。 その人の立場や属性によって、見えてくる姿も変わってくる可能性があるからです。
【方法6】初対面の人に意見を聞く(他己分析・2)
他己分析のもう一つの方法として、自分のことを知らず先入観のない初対面の人に自分の印象を聞くのもおすすめの方法です。
初対面なので、向こうはこちらがどんな人間なのか知りません。
それで自己分析になるのかと疑問に思うかもしれませんが、初対面の人から自分の第一印象を聞くことは就活において極めて大きな意味を持ちます。なぜなら就活では、初対面の採用担当者に自分をアピールしなければならないからです。
第一印象がとにかく重要になる場面に臨む際、自分がどのような印象を与えているのか知れば大きな材料になります。
普段の生活で初対面の人を探すのは難しいでしょうから、今まで参加したことのない勉強会に参加したり、OB・OG訪問の機会を利用するなど自分から積極的に探しに行きましょう。
【方法7】エニアグラム診断
自己分析が大切なのは分かっているけれど、とっかかりが分からずどこから手を付けていいか分からない、というときは、自己分析のためのツールを利用するのがおすすめです。
就職試験では性格を表すための適性試験を受けることが多くありますが、これに似ているのがエニアグラム診断です。
エニアグラム診断は性格のタイプを分類してくれるだけなので、そこから深堀するのは自分でやらなければなりません。
エニアグラム診断だけで自己分析を完璧に行うことは難しいですが、始めるきっかけには十分でしょう。
なお、エニアグラム診断には、簡単に診断できるサイトを利用すると便利です。
【方法8】ジョハリの窓診断
自己分析に役に立つ診断には他にも「ジョハリの窓診断」というものもあります。
自分が思っている自分と、他人から見た自分の姿は案外違っているものです。
ジョハリの窓診断では、自分自身の思う自己と他人が思う自己を整理することができ、その両面から自分の強み・弱みと特性について考えることができます。
ジョハリの窓診断は知り合いを数人集めて行うのが一般的ですが、最近は1人で気軽に診断できるWEBツールも登場しています。
【方法9】自己分析シートの活用
自己分析は、自分の思いつくさまざまな自分像について書き出してまっ白なノートを埋めていくのがスタンダードな方法ですが、これは非常に時間がかかる作業です。
難しいと感じたときは、就職サイトなどが提供している自己分析シートを活用すると良いでしょう。
過去にあった出来事からエピソードを掘っていく自己分析とは違い、シートを利用する際はそこに明記されたワードに合わせて過去の出来事を思い出していくことになります。
材料があるだけ、思い出す作業がやりやすくなります。
いろいろな自己分析シートがあるので、自分に合ったものを選びましょう。
そしてできるだけ丁寧に細かく埋めていくことで、自分の強みや弱みを分析することが大切です。
【方法10】面接でよくある質問への回答を分析
最後にご紹介する方法は、面接で聞かれやすい質問事項を最初に想定しておき、その回答を考え、その内容を分析することで自己分析に役立てるという方法です。
自己分析と同時に面接対策にもなるので、とにかく時間がないときにおすすめです。
例えば「学生時代最も打ち込んだこと」「最も印象に残っている出来事」等、面接で聞かれやすい質問から答えを探します。
自己分析に活かすためには、「最も」など答えが1つしかない質問に対しても複数の答えを考えます。その上で順番を付けてみましょう。更になぜその順番になったのか考えることで、自分を深堀することになるのです。
質問に対する答えを振り返ることで、自分の考え方の傾向や大事にしたいこと・譲れないこと等、自分を再発見できることがきっとあるはずです。
自分に合った方法で有意義な自己分析を
今回は自己分析ができる10の方法についてご紹介してきました。改めて整理してみましょう。
1. 時系列に自分の歴史を書き出す自分史
2. 人生の各場面で自分が感じてきたことを書き出す方法
3. 人生のモチベーションの変化を状況とともにグラフ化するモチベーショングラフ
4. メインテーマを構成するカテゴリと連想する項目を枝分かれで繋げて書き出すマインドマップ
5. 周囲の人から自分についての意見を聞く他己分析
6. 初対面の人から自分の第一印象を聞く他己分析
7. Yes/Noクイズで9つの性格タイプのうちどれかがわかるエニアグラム診断
8. 自分の思う自己と他人から見た自己がわかるジョハリの窓診断
9. 就活サイト等の自己分析シートの活用
10. 面接でのよく聞かれる質問に対する答えの分析
自己分析にはいろいろな方法がありますが、全て試しているとかなりの時間がかかります。
自分に合ったものを選ぶのが一番ですが、それが分からないときは時間がかからないもの、手軽に試せるものからスタートするのがおすすめです。
また、複数の方法を試すことで見えてくる自分の新たな側面もあるかもしれません。この機会に、奥深い自己分析の世界を楽しんでみるのもおすすめです。
自己分析は就職活動だけではなく、その後の社会人生活でも大いに役立ちます。ぜひ試してみましょう。