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こんにちは、シンアドインターン生のエリンギです。今成長中の企業をインタビューするこの企画「エリンギが行く!」。第5回目は、シンアド代表の飯田と一緒に「株式会社PIALA(ピアラ)」さんにお邪魔しました。
独自のシステムを駆使し、オンライン、オフラインを縦断した幅広いメディアでマーケティング支援を行う同社、実は、他社にはないサービス形態で成長を続けています。そのキーワードは「Win-Win」。さっそく実態をさぐるべく、常務取締役の根来伸吉(ねごろ・しんきち)さん、そして若手社員の方々にお話をうかがいました。
<話を聞いた人>
株式会社PIALA 常務取締役
根来伸吉(ねごろ・しんきち)さん
成長分野のサービスを掛け合わせ、
ビューティ&ヘルスの領域でNo.1を目指す!
成長分野のサービスを掛け合わせ、
ビューティ&ヘルスの領域でNo.1を目指す!
エリンギ ピアラさんは毎年就活生からとても人気があるとうかがっています。あらためて、御社の事業内容を教えていただけますでしょうか。
根来さん 当社は、「ECサイトや通販のお客様の売上向上を支援するマーケティングコンサルティング」を行っている会社です。ECサイトや通販のように、流通や販売店を通さず、直接お客様とやりとりをするビジネスを「ダイレクトマーケティング」と言うのですが、当社はその「ダイレクトマーケティング」の中でも化粧品や健康食品などのビューティ&ヘルスの領域に特化しています。
エリンギ ビューティ&ヘルスの領域に特化されていることが御社の強みなのですね。では、売上向上の支援というのは、具体的にどのようなことをされているのですか?
根来さん 弊社が独自で開発をしたシステムを駆使して、インターネット広告やチラシ・DMなどの紙媒体、そしてリアルイベントなど、オンライン、オフラインのどちらも利用したさまざまなプロモ―ションを行い、お客様の課題解決に取り組んでいます。
エリンギ 「ダイレクトマーケティング」で売上を上げるためには、どのような課題があるのでしょうか。
根来さん 「ダイレクトマーケティング」の課題は大きくわけて2つ、「新規顧客の獲得」と「優良顧客の育成」です。通販で物を買う時にまず会員登録をしますよね? これが「新規顧客の獲得」で、会員登録数を増やすことが1つ目の課題。
そして、会員登録後、「これを買った人におすすめの~」と別の商品を勧められ、購入することがありますよね? これが「優良顧客の育成」です。CRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)と言って、まだ購入履歴が少ない顧客を、毎月商品を買ってくれる優良な顧客へと育てるための戦略で、2つ目の課題です。
エリンギ 新規顧客ばかりを増やすのではなく、既存の顧客へのアプローチも行って、どちらも同じように人数を増やしていくことが大切なのですね。
根来さん そうですね。そのために顧客データを分析し、広告施策を当てるターゲットを絞っています。さらにマーケティングオートメーションツールやアフィリエイトシステムの開発、ECのカートの導入なども全て自社開発で行っています。直近だと、Webサイトを作らずにSNSのメッセンジャーで手軽にECが始められるチャットボットコマースツールをリリースしました。宣伝みたいですみません(笑)。これは後でお話ししますが、当社のサービスのキーワードでもある「ユーザーに対する利便性の”Win-Win”」の考えから生まれました。
エリンギ 「ユーザーに対する利便性の”Win-Win”」ですか。後程詳しくお聞かせください! 顧客となるメインのターゲット層はどんな方なのでしょうか?
根来さん 現在、15兆円を突破したEC市場の中でもビューティ&ヘルス領域は多くのシェアを占めていて、その中でも特に多いのがシニア層のユーザーです。当社はシニア層に対する訴求方法や効果の出る施策のノウハウがあり、シニアマーケティングを得意としているので、同領域のマーケティングにおいてNo.1になることを目標としています。
エリンギ まさに今、成長している分野に特化されているのですね。
根来さん はい、それにインターネット広告のシェアは現在約1兆円、その中で運用型広告は7,500億円を占めており、これらもまた成長市場です。当社はこうした成長分野のサービスを掛け合わせて行うことで、市場とともに成長しているのです。
それから、データも最重要視しています。 当社はビューティ&ヘルスに特化したデータを貯める事でノウハウをデータ化し学習させることを進めています。 今後はマーケティングプランニング領域にもAIを使ったテクノロジーでの解決を図ろうと考えているのです。
フィー型から完全成果報酬型へ。
お客様と一蓮托生で課題解決を
エリンギ ビューティ&ヘルスの領域に特化していることが御社の強みとのことですが、同領域の中でコンサルティングを行う会社が他にもある中で、他社にはない御社ならではの強みは何でしょうか。
根来さん すべて成果報酬型であるということです。先ほど申したように、当社は「Win-Win」という考え方を大事にしています。お客様にとってお金を払うことはリスク、だから当社も「成果報酬型」でお客様と同じようにリスクを背負う、という考え方です。実は広告の世界ではまだまだ珍しく、ここには飛鳥(代表取締役)の思いがかなりあるんです。
実は会社のロゴマークも、黒い丸がクライアントで、「P」がPIALAの「P」、「お客様と一蓮托生で課題解決をやっていく」ことを意味しています。そこにも「契約のイノベーション」を起こしたいという、飛鳥(代表取締役)の思いがありました。課題はすべてテクノロジー×コンサルティングで解決するということ。そして、音楽や車などを見ても感じますが、今の世の中は使った分だけ支払うようになってきています。実際新卒採用のサービスも、大型のメディアがだんだん使われなくなってきていて、同様の流れを感じます(笑)。このイノベーションをマーケティングに置き換えると「成果コミット」だったのです。
エリンギ 設立当初からそのような考え方だったのですか?
根来さん いいえ、かつては代理業として20%ほどのマージンをとっていましたし、完全成果報酬型にシフトチェンジした際は、現場の社員からは猛反発がありました。赤字が出るし、疲弊もすると。
エリンギ ですがその施策で結果的に成功されています。成果報酬型に変えてから、社内にどのような変化があったのでしょうか。
根来さん 当時、私自身も、クライアントから言われたことだけを忠実に行う、従来の代理店の在り方に疑問を持っていましたが、代表から「全部成果報酬に変えていく」という意向をもらったときは正直不安だらけでした。もちろん何かを変えるときには痛みを伴いますが「突然すぎだろ!!!」と(笑)。
しかし、ノウハウがたまりにくかったそれまでのやり方を、市場の変化とともに、ドラスティックに変える必要があった時期でしたし、実際、成果報酬にすることでノウハウや、売り上げに対して会社全体で真剣に向き合うようになったと思います。現場の社員は、成果によりコミットするようになりましたし。
フィー型の場合、お客様からオーダーをいただくと、結果にかかわらずオーダーの通りに運用を続けなければいけません。でも成果報酬型なら、まず試してみて結果が出なければ、すぐに別の戦略に移すことができます。もちろん危機感は生まれましたが、その分、判断や意思決定の機会ができたので、現場が感じるやりがいも大きくなっていきました。視野も広くなって自分の仕事をデザインできるようになって。それに伴って売上も上がり、粗利率も高くなりました。
エリンギ 結果的に現場の方々のモチベーションの向上にもつながって、お客様にも満足していただけて。まさに成果報酬型であることこそ御社にしかない魅力なのですね。
根来さん そうですね。競合他社との一番大きな違いだと思います。
目安箱、スモ休。
社員に対しても「Win-Win」の制度を
エリンギ 社員の皆さまに対する考え方についてもお聞かせください。御社ならではの制度などはありますか?
根来さん 当社は、お客様だけでなく社員に対しても「Win-Win」であることを大事にしています。たとえば「目安箱」といって飛鳥(代表取締役)に匿名で希望が言える制度があります。先日メディアでも取りあげていただいた「スモ休」※もその目安箱に入っていた意見から始まったものでした。
※「スモ休」…2017年9月に開始した、禁煙者に6日間の有休を付与する制度
ある日、目安箱に「なぜたばこを吸う人は、休憩時間が一日に何度もあるの?」というような内容の意見が入っていました。たしかに、たばこを吸わない人にとっては休憩時間が「Win-Win」ではないですよね。かといって、喫煙者の自由を取り上げるわけにもいかない。こうした理由から、たばこを吸わない人には、喫煙者の休憩時間の代わりとして、有休を付与するのはどうか? という考えから「スモ休」が生まれました。ですから健康促進運動ももちろんありますが、時間の「Win-Win」を保つためのものなのです。
飯田 たしかに、私もたばこは吸わないので、喫煙者の休憩時間に疑問を感じるのは理解できます。結果的に健康促進にもなってとても良い制度ですね。
エリンギ 新卒社員に対してはどのような教育をされているのですか?
根来さん メンター制度を取り入れています。仕事であまり関わることのない他の部署の上長が2人、メンターとなって月に1度、食事などに行ってコミュニケーションをとるのですが、その際は実務的な事以外の相談をします。キャリア形成や仕事への向き合い方など。
この試みは、今すぐの効果が出るものではないので、KPIも設定していないですし、目標も立てていません。メンターを受けた人が、数年後にメンター側に回るまでは効果は発揮できないと思っていますので。この制度は社内でもけっこう評判がいいですね。もちろんその中で課題となっていることや緊急で対応しなければならないことは吸い上げて取り組んでいきます。昔、近所のお兄ちゃんや年上の従妹の言うことの方が、素直に聞けることがありませんでした?(笑)そんなイメージです。
エリンギ メンター制度はいろいろな会社で取り入れていると思いますが、御社のメンター制度はいろんな角度から見守ってもらえているようで、とても温かいですね。仕事以外の相談も受けていただけると、ぐっと距離も近くなれますし、普段でもコミュニケ―ションが取りやすくなりますね。
スキルをのばすより興味を持つこと。
知的欲求、好奇心が旺盛な人と一緒に働きたい
飯田 以前、根来さんとお話をした際に、「内定にぶら下がっている学生は採用しない」とおっしゃっていました。改めてお聞きしたいのですが、新卒採用で根来さんご自身が見ているポイントはどこでしょうか?
根来さん 今もその考え方は変わっていません。内定にぶら下がっている人は、「内定を取ること」が目的になっているので採用しません。「自分がどういう大人になりたいか」を考えた結果、当社で働きたいというロジックが立てられている人が良いですね。
それから、自分でやりたいと思ったことを責任感もってやり続けてきた人はすごくいいなと思います。きっと知的欲求や好奇心が旺盛ですし、そういう人は自然といろいろなことをやりたくなるはずです。スキルをのばしたいとか知見を増やしたいというよりも、素直に「興味があるからやってみたい」と思ったことを一生懸命、最後までやり切れる人が良いですね。
飯田 たとえ優秀でも打算的ではなく素直な人ということですね。
根来さん そうですね、素直であることはとても大事です。それから理系の人や、今当社にいないような感性を持った人も良いですね。ダイレクトマーケティングやデジタルマーケティングは数字に強い人であればあるほど理解が早いのかなと。それから、ビューティ&ヘルスの領域では、私たち男性や年齢を重ねた社員では表現できないものもあります。トレンドの変化を敏感に感じ取ってクリエイティブに落とし込める人、言葉で表せる人、そしてSNSに詳しい人などは一緒に働きたいですね。
飯田 いろいろなことに興味を持つ人、ということは「いろんなことに興味がある故に自分は何がやりたいのか、わからない」という学生さんもいますよね。
根来さん やりたいことがよくわからないのは当たり前だと思います。逆にやりたいことが明確な人の方が怪しい(笑)。まだ社会人として働いたことがなくて、その業界のことも詳しくないのになぜその「やりたい」と言い切れるのかが不思議に思います。
「やりたいこと」が明確かどうかよりも、自分には何が出来て、何ができないかをわかっている、等身大の自分を理解している人がいいですね。
エリンギ 等身大の自分。就活中はつい背伸びしがちですが、一度自分を振り返ってみようと思います。そして知的欲求と好奇心を持って就活に挑みます! 根来さん、本当にどうもありがとうございました。
取材:エリンギ
撮影:吉田和夫
インタビュー:2017年10月