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皆さんこんにちは、シンアドインターン生のエリンギこと廣澤衣里(ひろさわ・えり)です。急成長中のベンチャー企業にインタビューをするこの企画、第2回目は株式会社リッチメディアさんにお邪魔しました。
「ヘルスケア大学」や「HAIR」など美容・健康領域におけるメディアを運営し、多くのユーザーを抱える同社、その規模はなんと国内最大級なのだそう。そんな株式会社リッチメディアの実態に迫るべく、同社社長の坂本幸蔵(さかもと・こうぞう)氏にインタビューさせていただきました!
人生は「可能性」の宝庫。
いくらでも変えられることを体現したかった
エリンギ はじめまして。シンアドインターン生の廣澤と申します。今日は宜しくお願いします! リッチメディアさんについて、そして坂本さんご自身についても、いろいろ教えていただきたくて、インタビューにきました。さっそくですが、まず会社設立の経緯を教えていただけますでしょうか。
坂本氏 もとをたどれば、 幼少期に「諦めることを諦めて、変えられるものに目を向けて努力し続ければ、自分の人生はいくらでも変えられる」という強烈な体験をしたことがきっかけです。
エリンギ どんな体験だったのですか?
坂本氏 私が9歳のときにさかのぼります。その頃、母が一人で私を育てることになって、生命保険会社で働き始めました。はじめの2年間はとても生活が苦しく、ご飯を食べるのもやっと、という生活をしていたほどでした。私は母に、「なんで僕たちだけこんなにしんどいの?」と文句を言っていたのを覚えています。でも母は、そんな私を一度も怒りませんでした。そして2年後、母の仕事は軌道に乗り始め、あっと言う間に、エリアでトップクラスの成績を収めたんです。今まで私に対して決して怒ることのなかった母は、ある日「ほらね、できないことなんて何もないでしょ」とひとこと言いました。この母の姿を見て育ったことが、後の私の人生に大きく影響したんだと思います。
母の行動によって、過去や他人の感情はコントロールできないけれど、未来や自分の意思はコントロールできるということに気づかせてもらったときに、「人や環境のせいにして生きることはもうやめよう」と思いました。そして同時に、「出来ないことなんてないし、出来ない人なんていない」ということも教わり、いつの間にか私自身も、母のようにそれを体現したいと思うようになっていて。「他人のものさしで成功・失敗を測らずに、自分の可能性を信じて邁進すれば変えられるものはいくらでもある」ということを、世の中の人に伝え、体現し続ける事が自分の使命だと感じるようになったんです。
エリンギ 女手一つで子育てをされながら会社ではトップの営業成績だなんて、ものすごいバイタリティ! まさに「不可能なものはない」ことをご自身で示してみせることで坂本さんに伝えていらっしゃったのですね。
その後坂本さんは、大学を卒業してサイバーエージェントに入社されていますよね? もともと起業をしようという目標はあったのですか?
坂本氏 そうですね、起業をするか就職するかで迷っていました。就活ではいろいろ受けたわけではなくて、当時成長市場にあった企業を選んで受けていましたね。
サイバーエージェントに入社し、2年目に子会社の取締役として経営に携わりました。社長と私と新卒社員の7名で立ち上げた会社でしたので、全員がとにかく会社を大きくしていこうと一生懸命で。当時の代表を中心とした社内の一体感が、私たちの熱量だったように思います。おかげさまで徐々に経営も軌道にのり、成長させることができました。
そのタイミングで、自らの使命として掲げてきた「可能性」という言葉をキーワードに、ゼロから組織づくりにチャレンジしたんです。「できないことはない」ことを証明する会社をつくりたいという思いが募って。それがリッチメディアの設立でした。
美容・健康は、必要不可欠な情報
専門家の協力のもと信頼できるサービスに
エリンギ 子どものころからずっと目指してきた「無限の可能性を証明する」ことを「会社設立」という形で体現されたのですね。それでは、株式会社リッチメディアの事業内容を教えて下さい。
坂本氏 「可能性を世界で最も開花させる」という企業理念のもと、「美容・健康の悩みを少しでも解消する」ことを目指しています。
美容・健康領域において、カスタマーから最も信頼していただけるサービスを創りつづけることで、日々の生活の土台となる美容・健康の「不」や「悩み」を解消する。その結果、皆が前向きな生活を送れる世の中を実現していきたいんです。現在は、様々なメディアを運営していて、ドクターをはじめとした専門家のご協力のもと、主に医療・健康に関する情報の発信をおこなっています。
エリンギ なぜ、美容・健康という分野に注目したのですか?
坂本氏 美容・健康の情報は、日々の生活の中で必要不可欠なものであるにもかかわらず、不足しています。それにこの分野は、何が自分にとって必要・有益であるのかがわからない「情報の非対称性」が大きい。だからこそ、信頼・安心できる情報を届けることがわたしたちの使命であると考えていますし、医師や専門家との適切な出会いをサポートすることで、より多くの人のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を向上させたいと願っています。
エリンギ 御社が運営している「ヘルスケア大学」も「スキンケア大学」も知らない人はいない、と言っても過言ではないぐらい大きなメディアですよね。
坂本氏 はい、現在、「ヘルスケア大学」や「スキンケア大学」、そして「HAIR」などあわせると、多くの方々に使われています。おかげさまで、国内最大級のメディアに成長させることができました。
エリンギ すごいですね。美容や健康に関する情報って、ひとりひとり思っていることが違っていたり、ときには間違っていたりもすると思うんです。同じような悩みを抱えていたとしても、求めている情報が違うこともありますよね。そうした個々人に対して、ターゲティングをして情報を提供していくような試みもされているのでしょうか。
坂本氏 もちろん、パーソナルな情報を基に、個々人に対して適切な情報を提供していくということはこれからやっていくというよりも、必然性があることだと感じています。ただこれはとても難しいことでもあるんです。
たとえば、美容や健康の悩みには、遺伝子要因と環境要因というものがあります。遺伝子が起因して何らかの悩みに繋がることもありますし、逆に良い遺伝子を持っていても暴飲暴食をしていれば体系や健康状態が維持できないということもあるわけです。そのバランスをどうやって把握するのかが重要なのですが、私たちはユーザーさんにストレスがかからない方法で把握しないといけない。今の段階では、サイトに来てくれたユーザーさんに何かしらのアクションを取ってもらい、それをもとに「あなたはこうですよね」という内容を返してあげるというのが良いと思っています。今後は、弊社に限らずさまざまなサービスがパーソナルに寄り添ったアプローチをするようになっていくと思うので。
エリンギ 自分に合った情報を選んでもらえるようになったら、すごく便利ですし心強いですよね。今から楽しみです! 今後の目標についてもお聞かせ頂けますでしょうか?
坂本氏 行動データ・ユーザーの悩みデータを活用しながら、クライアントと連携して新しいニーズやシーズを発見し、情報発信やコミュニケーションを実現しようと挑戦しています。
今までは情報の支援、どちらかと言うと安心や解消を提供する支援でした。でもこの段階では、たとえば「病院に行く」とか「買い物に行く」という解決までには至りません。どんなユーザーがどんなタイミングで何をしてきたのかのデータを逆算して、その人たちにどんな行動支援ができるのかを考え、情報の支援と行動の支援が一気通貫してできるようになるとまた新たな価値提供に繋がると思っています。
当社は今、企業としても第二創業期として事業多角化のフェーズに突入したところです。美容・健康領域でビッグデータを活用したビジネス開発と商品開発をオフラインも絡めてチャレンジしていきたいし、新しい市場をつくりたいと思っています。それから、新規メディア立上げと、既存メディアとの融合によるプラットフォーム化も考えています。様々なチャレンジを経て成長し、仲間と共に未来を創造していきたいですね。
エリンギ 目標にされていることがたくさんあって、坂本さんご自身からも活気を感じます! 設立の経緯でもあった「常に何かにチャレンジし続ける」精神は、これからもずっとずっと持ち続けていくのですね。
新入社員に必要なのは実直さと根気強さ。
自分に素直に、一歩踏み出す勇気を持つべし
エリンギ 新卒社員はどんな人を求めていますか?
坂本氏 一つの事に愚直に、誠実に、根気よく向き合える人がいいですね。学生時代から、人生を賭けられるくらいやりたい事を持っている人は少ないと思います。働いたことも無いわけですし、ある意味当然です。
当社ではよく「will—can—must」の三重円の話をするんです。「must」はやらなくてはならないこと「can」はできること、ですよね。学生時代に不明確な「will」を探して悩むのであれば、まずは「must」と「can」の輪を大きくしていけばよい。「must」と「can」の総和が大きくなれば、「will」の輪がどんなに小さくてもいずれは交わります。もっと言うと、自分にスキルがつき、経験を積めば自身の見地・視座は高まります。これまで見えていなかった景色が、どんどん見えるようになるわけです。その結果、知らなかった世界を知ることで、本当の意味での「will」は形成されていくのだと考えています。
どんな会社に行ってもどんな仕事をしても、入社前に思い描いていた環境と現実とのギャップは必ず生まれます。任された仕事に向き合い、成果を残し続ける。その実直な姿勢を持った学生と共に未来を築いていきたいと考えています。
エリンギ 誠実で粘り強さがある人が求められているのですね。これはきっと社会人であればどんな場面でも求められることですよね。私も就活生なので心に留めておきたいです。それでは、坂本さんご自身が採用で大切にしていることは何ですか?
坂本氏 2つのことをよく見るようにしています。ひとつは「一生懸命にやりたいことがあるかどうか」、もうひとつは「他責にしない人かどうか」です。新卒の方は真っ白のキャンパスにどう絵を描いていくか、ということが成長の肝だと思います。どのような方向性に行きたいのか、どういうことを選択したいのかがとても大事なんです。
ちなみに、弊社は決まったことを、決まったようにこなしていく事だけを求める環境ではありません。自分で仕事を創り続けていかないといけないから、自分で考えて行動できる人かどうかも大事ですね。だから採用の際は「リッチメディアって、正直けっこう大変ですよ」って正直に言っちゃうんです。
それからもうひとつ。多くの方に影響力を与えようと思うなら、組織でないといけません。1人でできないことをやるから組織である意味があるんです。その中で、「上司が…」とか「部下が…」というように他責にする人は組織に向いていないと思っています。何事も自分事化してとらえていける人と一緒にやっていきたいですね。
エリンギ 「やりたいこと」、つまり「自分の軸」みたいなものだと思いますが、就活の時だけではなく、社会人になっても持ち続けていくべきなのですね。だからこそやるべきことが見えてくる。それから「自責の念」を持つようにすることを私も肝に銘じます。それでは、御社のインターンシップについても教えていただけますか。
坂本氏 コンテンツに関しては非公開なので多くをお伝えすることはできませんが、徹底的に自分に向き合い、チームに向き合うコンテンツになっています。
当社も長年に渡って新卒採用を続けてきましたが、学生と向き合う中で違和感を感じる事が多くて。「他人のものさし」で生きている、意思決定をしている人が非常に多いんです。人生は一回きりです。今の世の中、挑戦しても死ぬわけではない。そうであれば、自分の心に素直になり、一歩踏出す勇気をもってほしい、そんな想いから、『MILLIONTH(ミリオンス)』というインターンシップを企画するに至りました。
少しでも多くの学生に気付きを与えられるよう、我々も学生以上に本気になって向き合い、学生の皆さまにとって有益なインターンシップになるよう、取り組んでおります。
エリンギ 御社のインターンシップは毎年とても人気があるとうかがっています。今のお話をきいて、私もますます興味を持ちました! それでは最後に、就活生に向けてメッセージをください。
坂本氏 繰り返しになりますが、「他人のものさし」で測られるような就活はしないでほしいです。自分で意思決定をしなければいけなくなったとき、絶対に迷うことがあると思うんです。そのときにAさんはこう言っていた、Bさんはこう、Cさんは…と、みんなが言ったことをうまくまとめようとする人が、就活生には多いように思います。でも、「あんた、何をやっているの?」と人に言われても、自分が正しいと思うのならそれをするべきだと僕は思うし、自分自身にとって何が大事なのかを考える就活をしてほしいですね。
それから、“かっこつけ”が多いなとも思っています(笑)。もっと自分らしく、かっこ悪くてもいいから「こうなりたい!」と心の底から発信してほしいですね。就活のタイミングでどれだけかっこいいかを見せ合っても意味はなくて、企業も就活生も、お互いがかっこ悪いところを見せ合って、そのうえでやっていけるかどうかを判断するべきだと。根幹さえ変わらなければ、お互い尽くすことができますから。
エリンギ 就活は不安な要素がたくさんあって友達や他人の意見がすごく気になるし、どうしても「良く見せよう」としてしまいがちですね。でもちょっとかっこ悪くなっても自分が正しいと思うことを信じて突き進んでいる方が、人としても魅力的なのかなと感じました。今日うかがったお話を、私自身の就活にも活かしたいと思います。
坂本さん、今日は本当にどうもありがとうございました!
西新宿のオフィスビル24階に位置する同社。窓からは新宿の街一帯が見渡せるんです。この日は快晴で、朝早くの取材だったので高いところから見る景色がとてもきれいでしたよ。ますます進化する株式会社リッチメディア、毎年人気のインターンを体験してみたい方はぜひ説明会にご参加ください。
2017年10月取材:エリンギ
写真:吉田和夫