INTERVIEW 2020.03.13
デジタル化した現代にあるべきキャリアとは?次世代型デジタルエージェンシーアイレップで求められる人材像に迫る~キーマンインタビュー

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    デジタルとオフラインの融合が進む中で、アイレップにおける実際の仕事内容はどのように変わっているのでしょうか?

    後編では、その融合の時代に常に変動していく同社にて、実際に活躍している人物と事例をもとに求められている人材像やスキルを、キーマンたちに伺います。

    前編のおさらい

    デジタルマーケティングができることが時代の変化に伴って広がり、データをもとにデジタル起点で全体プランニングができる企業が大きな強みを持つ時代になりました。
    その代表的な企業が、博報堂DYグループで、デジタルとオフラインの枠を超えてあらゆるマーケティング手法を中立な立場で取り入れているデジタルマーケティングエージェンシーアイレップ。
    デジタルエージェンシーが次世代型になっていこうとしたら総合広告会社の良いところを取り入れていかなければいけませんが、それができる会社はとても限られます。その数少ない企業であるアイレップで、実際に積み上げられるキャリアとは?
    「アイレップの「次世代型エージェンシー」への可能性!博報堂DYグループだからこその強みとは?」はこちら

     

    クリエイティブディレクター後藤さんのキャリア事例

    野崎 大輔(のざき だいすけ)株式会社ホールハート コンサルタント/スペシャリスト

    デジタル時代で10年後も勝ち続けるキャリア設計を支援する白メガネ。転職/副業/就活/イベント企画を横断したコンサルティングに従事。リクルートの人材ビジネス、アイレップなどを経て現職。デジタル知見を活かしたマッチングが得意。趣味は面接同席。

     

    野崎後藤さんはアイレップに在籍して約8年ですね。変化し続けているアイレップにてキャリアを築いてこられたわけですが、これまでのキャリアを振り返っていただけますか?

    後藤 信悦(ごとう のぶよし)

    株式会社アイレップ コミュニケーションデザインUnitクリエイティブディレクター

    システムエンジニアを経て2012年にアイレップ入社。運用型広告のコンサルタントとして、株式会社博報堂DYメディアパートナーズに常駐後、日本最大級の不動産クライアント企業のプロジェクトマネジメントに従事。現在は、クリエイティブの領域で、動画制作や統合コミュニケーション設計に従事。企画から制作まで、業種問わずあらゆる領域をカバー。これからの“効く”動画広告の発掘に注力している。

     

    後藤さん2012年にエンジニアから転職して入社しました。博報堂と協働する仕事が主な部門に入って、ナショナルクライアントの広告運用や営業を経て、管理職も経験しました。

    そして、2016年ぐらいに一念発起してインドネシアのジャカルタにあるアイレップの子会社に、飛び込んでみました。

    野崎社内でも特殊なキャリアですよね。

    後藤さんはい、そうだと思います。ジャカルタには1年ほど滞在し、グローバルでアイレップのサービスが通用するんだという実感ができました。

    そして、ちょうど現在のコミュニケーションデザインUnit(以下CDU)の前身となる組織が立ち上がり、博報堂でクリエイティブを担当していた方がアイレップにジョインしたタイミングで、これまでテキストや静止画を中心としたインターネット広告の成長に携わっていましたが、近年の動画広告の登場によって、新しいコミュニケーション手法の必要性を感じていました。

    動画領域は私にとってもアイレップにとっても新しい領域でしたが、「これまで培ってきたスキルを取り入れて、アイレップ独自の新しい動画チームを作っていけるのではないか」と直感的に思いました。

    CDU(コミュニケーション・デザイン・ユニット)とは?

    2018年に発足した、デジタル時代のコミュニケーションをデザインするチーム。組織は大きく2つに分かれており、テレビCMからYouTubeなどの動画を作っていくチームと、SNSを中心とした動画クリエイティブやオウンドメディアのコンテンツ制作、SNSと連携してどのように大きくしていくかを目指すチームがある。

     

    野崎徐々にクリエイティブへ興味関心が移っていったんですね。

    後藤さんそうですね。そして、当時の上司に「日本に戻ってそこに行きたいです」と話をし、帰国したタイミングでその部署にジョインさせていただきました。参画したチームのメンバーは長年クリエイティブを経験した方達ばかりで、私にとっては新鮮でした。

    ただ一方で、インターネット広告の運用で培った成果改善に特化したマーケティングの考え方を、今度はクリエイティブに掛け合わせることの面白さに気が付きました。

    野崎クリエイティブをどうデジタルマーケティングに活かすのかではなく、逆にデジタルマーケティングスキルをどうやってクリエイティブに活かすのかのチャレンジというわけですね。

    後藤さんまさにその通りです。今ではクリエイティブディレクターとしてデーダドリブンなクリエイティブに向き合っています。

    野崎クリエイティブディレクターというのは、一般的にはアートディレクターやコピーライター出身という先入観が強いのですが、デジタル時代への移行に伴い、アイレップが得意とする今までのデータドリブンでマーケティングを行っていた経験を、クリエイティブ面に活かしやすくなっているということですよね。

    後藤さんそうです。クリエイティブはものづくりでもあるのですが、それを構造化した時にどういう検証をして、どういう最適化をしていくというフレームをつくることに特に活かされています。

    そもそも僕は、前職はシステム会社でエンジニアをしていました。今後はコンサルティングや営業出身など、さまざまな職種出身のクリエイティブディレクターが増えてくるのではないかと思っています。

    クライアントの要望がどんどんテクノロジーとクリエイティブが融合していくことを、肌で感じています。

    井上孝恵(いのうえ たかえ)

    株式会社アイレップ コミュニケーションデザインUnit Division manager

    2006年グループ会社であるデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムに入社。アドテク領域を担当後、メディア担当として新聞社、出版社、放送局を中心としたマスメディアのデジタル領域に携わる。2018年にアイレップへ出向し、広報・マーケティング領域を担当。2019年4月に現職であるコミュニケーションデザインUnitのDivision managerへ就任し、テレビCM制作からコミュニケーションデザイン設計まで、クリエイティブの領域を幅広く統括する。

     

    井上さんなので、CDUで後藤さんのようなクリエイティブディレクターは今後もたくさん生まれそうです。

    後藤さんまさにアイレップは時代の進化をうまく追ってきていると思います。

    案件事例

    野崎それでは、実際どんなことをやっているのか、事例を聞いてみたいと思います。

    いわゆる検索連動型広告中心で獲得系のダイレクト案件のイメージが強かったアイレップが、クリエイティブにどのように向き合っているのかご説明願います。

    後藤さん今、スタディサプリという英語教育アプリのテレビCMの制作を行っています。以前は他の広告代理店でテレビCMを制作していたとのことで、テレビCMによってサービスが売れるかどうかよりも、クリエイターのセンスが重視されるような制作プロセスに違和感を覚えていらっしゃいました。

    テレビCMのクリエイティブになったとたん、PDCAをゴリゴリ回すマーケティング発想で並走できるパートナーがなかなかいない、という中で、縁がありアイレップをお引き合わせいただいたんです。

    野崎こういう引き合わせがあるのも博報堂DYグループの強みということですね。

    後藤さんはい、それは感じます。テレビCMは制作費も大きく、静止画やWeb動画のように簡易的に何本も制作しません。クライアント企業の売り上げに効果を発揮できる可能性が高い1本に仕上げる必要があります。

    そのため、放映前に事前に仮説に沿った複数の簡易的な動画を作成して、どの動画なら商品の魅力が一番伝わるかを調査します。

    野崎手間が掛かる分、制作時間が長期化しそうに感じますが、いかがでしょうか?

    井上さん実はトータルの制作スケジュールは普通のCM制作とほぼ変わらないか、むしろ短いぐらいです。

    そのためには社外パートナーの協力も必要で、せっかく監督が企画したアイデアを検証でダメだったからボツというのを繰り返すと結構なストレスだったりすると思うので、社外パートナーも含めてクライアントも三者一体になって、状況の変化に応じるアジャイル型でやり切るという意識統一をして、CMを作っています。

    アジャイル型とは?

    短い開発期間(一般的に2週間程度)を何度も繰り返すことで効果検証の結果やお客様の要望などを反映させ、そのプロジェクトに関わる全員が「最も価値がある」と思えるプロダクトを生み出すための手法。1回出したら終わりではないので、リスクを低く抑えられるのが特徴。

     

    野崎なかなかしびれますね。成果はいかがですか?

    井上さんおかげさまでそのテレビCMを出稿した際に、以前のCMよりもサービスの申込者が増加できたとのことで、サービス名称での検索数が増加したり、その結果、シリーズで複数本の制作受注に繋がっています。

    野崎体制に関しての質問ですが、グループ内の総合広告会社を介してアイレップが携わるわけではないのでしょうか。後藤さんいかがでしょう?

    後藤さん我々アイレップが、クライアント企業に直接向き合っています。

    野崎納品物はテレビCMの動画ということですね。

    井上さんはい、その通りです。テレビCM枠の買い付けは、この事例でいうとアイレップはしてないのですが、デジタルメディアであるYouTubeやTwitterについては、当然、枠のプランニングから買い付けまでアイレップが担当しています。

    また、他のクライアント企業では、アイレップでテレビCM枠のプランニングから買い付けまでもおこなっています。

    野崎YouTubeやテレビなど、各メディアに属するターゲットに合わせクリエイティブ案を検討し、高速で効果検証したうえで最適化した動画をテレビCM含めた配信面に合わせチューニングするわけですね。

    後藤さんはい、そうですね。テレビやYouTubeだけではなく、タクシーアドやトレインチャンネルなどのサイネージ面も増え、マーケティングを統合的にプランニングして、成果を高めていくところに入り込んでいるということです

    井上さんこのケースではクリエイティブの内製はしていないのですが、内製機能も持っています。

    例えば、Instagramストーリーズの動画広告はスピード勝負でバッと撮ったものの方が、成果が良かったりします。過去の事例だとiPhoneで撮影したものを納品したこともありました。

    後藤さんプロが作ったというよりは、一般ユーザーが投稿しているようなテイストが良い場合もあるので、そこも踏まえて内製有無の判断をしています。

    井上さん映像の作りこみも大事なのですが、高速で大量に作って効果検証にいかに速く乗せるかという部分は、まさしくバナーと同じ世界観だと思いますが、そういう意味で内製機能を持っています。

    野崎運用型広告で培ってきたフレームワークに、オフラインも含めたフルファネルでプランニングする点が、総合広告会社との戦術の差別化になりやすいということですね。総合広告会社である博報堂出身の北爪さんからもお話しいただけますでしょうか。

    北爪宏彰(きたづめ ひろあき)株式会社アイレップ 取締役

    東京大学在籍時の起業経験を経て、博報堂入社。2006年より博報堂全社のデジタル改革組織に参画。2010年よりHarvard Business School留学、2011年修了、アルムナイ資格取得。米国MarketShare社を経て、2013年よりアイレップに参画。マーケティング統括室長、コーポレートコミュニケーション本部長を経て、2018年取締役に就任。現在、メディア領域、プランニング領域、クリエイティブ領域、アドテク領域を管掌。

     

    北爪さん配信順序をYouTubeなどのデジタルメディアから始めて最後がテレビCMになるという考え方は、総合広告会社では生まれづらい発想です。デジタルエージェンシーである我々からすると、テレビCMは一度配信すると差し替えがすぐには利きませんし、クリエイティブの効果を高めていくことができません。

    よって、仮説検証プロセスは少額のデジタルメディアでやろうという考え方が生まれます。その時は制作費を抑えたりします。例えば、キャスティングも有名人を使わずに一般タレントにする、などです。そして、最後のテレビCMでは有名人に差し替えたり、撮影機材も全部高グレードにしたりコストをかけて制作する。

    このように、デジタル上でPDCAを回しながら徐々に認知を高め、最後にYouTubeの配信量を高めたりテレビCMで一気に世の中ゴト化したりという流れは、デジタル化した現代におけるマーケティングの考え方に即しているといえます。

    野崎そうなると、博報堂DYグループの他の広告会社とは競合にもなりえると思うんです。

    アイレップに足りなかったクリエイティブ人材を外部から登用しながら、元々アイレップが戦ってきたフレームに乗せられる後藤さんのようなクリエイティブディレクターを育てながら、融合させつつ戦うという感じになっているんですか?

    北爪さんそうですね。ただ、さっきの外注パートナーは実はグループの力を借りたりとか、オフラインメディアのバイイングもグループの力を借りたりするので、実際は協業することが多いです。

    後藤さんどちらかというとダウンロードや会員登録など、広告成果を明確に求めているクライアントは特に相性が良いと感じていて、割とすみ分けはできていくのかなっていう風に考えています。

    野崎事例に関してよく理解が出来ました。貴重なお話ありがとうございました。

    アイレップで今、求められている人材

    野崎アイレップ内にある仕事の範囲もデジタル化に合わせてハイスピードで変化をしてきているので、数年前の口コミが、「今」の実態と異なり、誤解を生んでしまう可能性もありそうですね。人事責任者の原さんにも聞いてみましょう。

    原麻子(はら あさこ)株式会社アイレップ 人事Unit 執行役員

    2007年にアイレップへ新卒入社。アカウントプランナーとして、主に大型クライアントに向けたSEM領域の広告運用を担当。アイレップ大阪営業所、博報堂DYメディアパートナーズ出向を経て、2016年に人事本部へ異動。現在は人事領域の執行役員として、デジタル時代のクライアントビジネス拡大に貢献し、社員自身にとっても有意義なキャリアを積んでいける会社づくりを目指し、日々業務に従事している。

     

    原さんもちろん変わっていないこともありますし、たった数年でそこまで変わらないというのが一般的だとは思いますが、アイレップは特にこの3年くらいで大きく変わっています。もちろん良い変化だからやっているのですが、本当に変化のスピードが速いですね。

    野崎運用型広告特化の会社ではなくなっていますよね。

    原さんはい、そうです。だから議論もすごく拡散的で、いろいろなことを網羅的に考えなければならないフェーズにあります。

    でもそれは採用したい人材像ともリンクしていて、これぐらいのスピードで変化するアイレップに飛び込む覚悟はありますか?というところを問いたいです。

    井上さん「自己成長したい」みたいな学生さんって、面接をやっていても多いのですが、そういう意味ではとても良い場所だと思っています。

    デジタルエージェンシーの中では大手に分類されると思いますが、一般的な大手と思って選考を受けに来た学生には、「そうじゃないよ」と伝えています。

    原さんデジタルマーケティングのことだけを考える人じゃなくて、業界のトレンドや構造を考えられる人が欲しいですね。

    野崎ベンチャーマインドを持って、流れの早い成長領域で、かつ大きな仕事に向き合えるという点では、アイレップと同じようなキャリアを描ける会社は少ないので、その点に気がついている学生にとってはすごいチャンスということですね。

    原さんただ、いわゆるなんでもできるベンチャーではないんです。

    例えば、決定スピードはグループとこの規模の観点でやっぱり複雑性を帯びていて、そこの相反するところをトレードオフとして飲めるかという部分が、ギャップになりうるリスクとして心配もしています。

    全員がいきなり後藤さんのようなクリエイティブディレクターからキャリアを形成できるわけでもないですし。

    北爪さん最終的に世の中に打ち出しているものが新しいとか、会社が変化していきながら急成長していることを喜びに変えられる人材がいいんだと思います。

    井上さん例えば、後藤さんの話でいくと、どんな案件に携わるときも、まずその案件の商材とかサービスを好きになってみるっていうのを、すごくやられる方だっていう気がしていて。

    まずクライアントを深く知るということをめちゃくちゃやる人ですね。いい意味でオタク気質があるような感じで、何かに対して深く学んでいけるような人っていうところが、活躍している人の傾向という風に私は捉えています。

    採用側からのメッセージ

    野崎では、最後に新卒採用責任者の原さんから学生に向けてメッセージをお願いします。

    原さんアイレップは今、業界の変化スピードを超えるもの凄いスピードで変化していっています。

    そうした環境下では、これまでに解のないマーケティング課題に向き合うことも多くありますが、その状況をおもしろがりクライアント企業のビジネスに真摯に向き合い、切り開いていく覚悟のある方とぜひ一緒に働きたいです。

    人生に一度の新卒就職活動、ぜひ本気でご自身の将来とキャリアに向き合ってみてください。

    まとめ(野崎より)

    今回の取材を通じ、同じ会社でも数年で大きく変化していることがよくわかりましたし、少なくとも私が在籍していた約6年前とは別会社のような印象を受けました。

    インターネット上の口コミ情報に寄った情報収集や面接対策は、流れの早い業界には不向きとも言えます。

    気になった方は是非、説明会などで一次情報をしっかりと取りにいって欲しいですし、前提として業界理解や背景をインプットしておくと、説明会やOB・OG訪問の時間を有意義に使えるでしょう。

    これからますますマスメディアとデジタルの融合が進み、オンラインとオフラインの境目は無くなっていきます。

    その近未来、どのようなバックグラウンドのキャリアや市場価値の高いスキルになるのか、時流を予想しながらファーストキャリアを意思決定するというのは100年時代において大事な考え方なのではないでしょうか。


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