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インフルエンサーとSNSに特化した成果報酬型プラットフォーム「THREE With」を中心に、タイアップ広告やSNS運用代行といったソーシャルマーケティング支援を展開する「3WELL」。
2020年の創業からわずか5年でインフルエンサーマーケティング市場を牽引する存在となった急成長ベンチャーが、創業から掲げてきた「MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)」を改訂し、新たに「MVB(ミッション、ビジョン、バイブル)」を定めました。
なぜこのタイミングで改訂が必要だったのか、それぞれにどのような想いが込められているのか、代表取締役の中村光海さんにお話を伺いました。
〈プロフィール〉
急成長を遂げる中で変化したもの。
―――まずは3WELLの事業について、簡単にご説明いただけますでしょうか。
中村さん(以下敬称略)
主に成果報酬型プラットフォーム「THREE With」、純広告型のタイアップ広告支援「THREE Xross」を中心としてインフルエンサーとSNSを活用したソーシャルマーケティング支援を手がけています。
―――SNSを活用したマーケティングで成果報酬型というのも珍しいですね。
創業当初から成果報酬という形でスタートしているので、「購買」まで結びつかないと私たちの利益にも繋がりません。インフルエンサーマーケティングは認知の拡大をメインにしている企業も多いことを考えると、サービス開始当初から購買に向き合ってきた私たちだからこそ認知から購買まで一気に刈り取れるのは他社と比較しても強みだと思います。
―――5年で急成長を遂げ、海外での展開も始まったそうですね。
ありがたいことに成果報酬型インフルエンサーマーケティングの領域で、国内シェアNo1を達成することもできましたし、海外事業はタイへの進出を足掛かりに、これから大きく進めていこうと考えています。
日本国内はある程度どの市場も成熟している中で、成長著しい東南アジア諸国に今のうちからリーチして、10〜20年後にはその地域に根ざしたマーケティング企業といえば3WELLと呼ばれる状態を築きたいですね。
東南アジアではテレビといったマスメディアよりも先にスマホが普及したこともあり、SNSの影響力は日本よりも大きいんです。
さらに物を買うにも一般の市場にまだ偽物が多く流通している中で「信頼できる人から正規の商品を買う」という日本人にはあまりない購買意識もあります。東南アジア全体で日本の市場を超える日もそう遠くないと考えていますね。
―――大きく会社が成長しようとするこのタイミングで、会社が目指す指針とも言えるMVVの変更に着手した理由は何だったのでしょうか。
<変更前>
<変更後>
当初のMVVを作ったのは2022年頃だったのですが、その時に自分自身が大切にしていた想いを言語化して定義したものでした。
ただ会社の規模が大きくなっていき、さまざまな視座が高くなっていく一方で、今から自分たちが目指していく姿と現在のMVVの表現にギャップを感じたことが変更に至った大きな理由です。
そしてそれは私だけの感覚ではなく、経営陣も同様の想いを抱えていました。経営陣が想いをのせて語れるようなものになっていないのは問題ですし、であるならば新たに定義した方が良いよね、と。
実際問題として、海外への事業展開が始まることを考えると「そもそも日本語で良いのか?」という問題や、創業から5年が経過し企業の基盤をしっかり整えるタイミングが来たという実務的な側面もありましたね。
変わらなかった「夢」への想い。
―――いざミッションを変えようと決まった後はどのように決定まで進めてきたのでしょうか。
まずはミッション策定に協力いただくパートナー企業が決まったところで、私を含めた経営陣のロングインタビューから始まりました。生い立ちから今に至るまでの経験や大切にしてきたことを深掘りしてもらい、3WELLとして何を掲げるべきなのかを探っていきました。
価値観や想いに近いものなのか、企業としての在り方を表現するのか、その折衷案なのか…たくさんの表現が生まれるなか、本当にしっくりと心の核心に迫るものはなかなか辿り着けませんでした。
―――紆余曲折を経た上でなぜ「Empower Dreams 」という表現に決まったのでしょうか。
自分たちが大切にしている言葉や、実際に社内で飛び交っている言葉、今の事業と将来の目標とする事業など、過去から未来までを想像しながら時系列に並べていく作業を繰り返すうちに徐々に見えてきた想いがあって。
私たちはまだまだ小さい企業ですし、自身の可能性を信じてどんどんチャレンジしていく段階だと思います。実際に働いてくれている社員たちも、そんな挑戦心を持ってくれている。
その想いを言葉として掲げたいと全員でたどり着いた時に、じゃあこれって何だろうと。
それを私たちはいつも「夢」という言葉で表していたと気づいたんです。たくさんの時間をかけて考えて回り回ってたどり着いた根幹の部分は、以前から掲げていた想いと変わらなかった訳ですね。
ただ表現として、もっと能動的に自分たちから動かしていきたいという意味づけを加えたり、どこの国の人でもわかりやすい言葉を探した結果、「Empower Dreams 」という表現に決まっていきました。
―――改めて視野を広げて考え直したからこそ、根底として同じ想いが込められたものだとしてもより強い意志を感じることができた訳ですね。
見通す未来と、守るべき法律
―――新しいビジョンである「超#」は以前と比べると大きく変わったように感じました。
もともとの「語り継がれる物語をつくる」というビジョンには”会社を大きく成長させて自分たちが作った事業で世の中に貢献することで、人々に語り継がれるまでの存在を目指そう”という想いを込めていました。
この言葉をもちろん大事にしていきたいという想いはありますが、ビジョンとして掲げるには少し遠すぎて具体的にどうなっていきたいのかが説明できないと感じたんです。
自分たちがステップアップしていく中で見える景色はもっと見えやすく変わっていくはずなので、あえて遠すぎる目標は掲げなくても良いかと。その中で少し先の2030年をひとつの区切りとして設定し、2030 3WELL VISIONとして「超#」を掲げました。
私たちは2030年までの目標として売上300億円を目指しています。そのためにはインフルエンサーマーケティングという枠の中から飛び出していく必要がある。「SNS(=ハッシュタグ)を超えていく」という意味を込めて決めた言葉になります。
そのためには当然インフルエンサーマーケティングだけではなくデジタルマーケティング全般で戦えるように提供するサービスを拡充する必要があります。それだけで市場規模としては30倍にもなるステージで戦うことになりますから。
それに加えて海外進出はどんどん加速させていきます。2027年までに現在進めているタイに加えベトナムや韓国、インドネシア、マレーシアへの進出を考えています。
長期ではアフリカやメキシコといったまだ日本人のプレゼンスが効くエリアにも、文化として根付かせていきたいですね。
あとはデジタルマーケティングとは異なる分野でも新規事業の立ち上げて、プラスアルファで拡大させていきます。社内公募で事業を募集したり、M&Aによる事業買収など手段はさまざまですが、社内でも挑戦したいと手を挙げてくれた人にどんどん挑戦の機会を与えられるよう機会は増やしていきたいですね。
―――バリューも改めてバイブルと定義した理由は何だったのでしょうか。
バイブルとは宗教において守らなければならない法典ですよね。経営陣との会議の中で出てきたアイデアで「社員だけじゃなく、役員も、社長自身も守らなければいけない法律」にしようと。
これは実際の法律と同じように、ずっと変わらないものではなく会社のステージに合わせて、数が増えたり減ったり、内容が変わってアップデートして、その時々にフィットするものに変えていくものです。
上司が口の良いように言っているものではなく、組織として定めたものなので私を含めた全員が守らなければならない意識が生まれると思いました。私が違反していたら、言われてしまう訳ですからね(笑)
叶えたい想いを原動力に
―――今回のMVBにはご自身が夢を叶えてきた熱い想いを感じました。
私は幼い頃からヒーローに憧れていたんです。子供の時っていろいろなものに憧れますよね。スポーツ選手の時もあれば、アーティストや俳優だったりした時もありましたが、その中で一番しっくりきたのが”経営者”だったんです。
私が小学生くらいだった頃、テレビではちょうど堀江貴文さんや藤田晋さん、孫正義さんといった方々が若手起業家として取り上げられる時期でした。
その時に自分も「こうやってビジネスで成功して世界に影響力を持つ大人なりたい」という想いが生まれたんです。その想いは大人になるまで変わることなく起業することに迷いはありませんでした。
なので経営者の根幹としては、社会の課題を解決したいというよりも自分の生きた足跡を残したいという想いが強いんですね。
自分のやりたいことを実現して、それが結果として社会のためにも良いことであるという流れが大事だと思っていて。
だからこそ社員のみんなにもよく「一回きりの人生だから、自分たちがやってきたことが社会に大きな影響を与えて生きた証形を残せるような仕事をしよう」と伝えています。
自分から生まれるその想いが強い人のことを「エンジンが大きい人」と私は言っています。「どうしても叶えたい夢がある」「心からやりたいことがある」という強い想いがエンジンを動かす原動力です。
その想いこそが仕事を頑張る力になると思うので、これから3WELLに関心を持ってくれる学生さんたちにも大きな夢を持っていてほしいと思いますね。






