インタビュー 2023.09.22
「なんとなく総合広告代理店に行きたいな、マーケターになりたいな」って考えてる就活生が10年後に後悔しないために、今、この記事を読んで欲しい【後編】

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    「なんとなく総合広告代理店に行きたいな、マーケターになりたいな」って考えてる就活生が10年後に後悔しないために、今、この記事を読んで欲しい

    前編/後編

    10年後と言わず、5年後にはAIが人間よりも最適な運用をしているかもしれない激動の時代。総合広告代理店のマーケター職は本当にキラキラしたキャリアなのでしょうか。前編では先を見すえた元就活生のファーストキャリア選択について詳しくお聞きしました。後編では広告運用にとどまらず、マーケ全体戦略や自社マーケなどマーケターなら誰でも憧れる仕事について深掘りします。


    伊佐 依里香 (いさ えりか):株式会社Speee マーケティングインテリジェンス事業本部  セールス&マーケティング2部  コミュニケーションユニット ユニット長
    京都大学経済学部卒業。2016年に新卒入社。大学時代は、建築の勉強のためデンマークに半年間留学。また学生就活支援企業で1年間インターンを経験し、プロジェクトマネジメントを担当。Speee入社後は自社メディアのマーケティング部署に配属。グロースハックチームの牽引とP/L作成に参画。2年目からトレーディングデスク事業部トレーダーに異動。大規模クライアントのマーケティング戦略案件を担当。その後、マーケティングコンサル部門全体の自事業マーケティング担当として活躍している

    広告運用がやりたいという人に伝えたい。マーケティング全体戦略に関わることの面白さとは

    ーー 前編では、伊佐さんの入社3年目、トレーディングデスクトレーダーまでお聞かせ頂きました。その後はいかがでしょうか?
     

    ■伊佐さんの経歴■
    1年目、メディアディレクター職
    2年目、トレーディングデスクトレーダー職(広告運用の実行支援)
    5年目、PAAM(クライアントのデータ活用支援を通したマーケティングの戦略設計)
    6年目、自社マーケ
    7年目、全社マーケ(ブランド戦略)&採用ブランディング



    伊佐さん(以下、敬称略) トレーディングデスクでの3年間で、Speeeの事業推進ができるマーケティングの面白さを感じていて、マーケティングでスペシャリストになっていきたいと思うようになりました。スペシャリストとして生きていくには、広告運用だけじゃなくて、他の領域とかも経験したいので。その希望を上司に伝えてPAAM(Predictive Analytics And Marketing)というデータ統合や利活用をする全体戦略に関わるコンサルティングを担う部署に異動しました。


    ーー そこで印象的な仕事はありましたか?


    伊佐 外資の消費財のメーカー様がお持ちのデータ統合をしつつ、マーケティングの戦略設計をコンサルティングさせていただいたことですね。


    ーー とても面白そう、かつ大変そうです。外資系企業だとグローバルというか本国で決まっていることを、日本法人(※本国ではない現地法人の意)で実行する難しさがあると聞いたことがあります。


    伊佐 まさにそうでしたね。当該企業はデータは膨大にあるんですけど、それが整理されていなかったり解釈をするための統合がなされていなかったんです。とにかく量があるだけで、解釈できないもの、使えないものになってしまっていました。 まずはそれらを使える状態にするところから取り組んで、さらにマーケティングの領域で、どう活用できるのかを、細かくトライアンドエラーを繰り返しながら検証しました。そして 次年度の、マーケティング戦略を作っていく作業ですね。


    ーー 具体的な例を、お聞きしてもいいですか?


    伊佐 例えば顧客の購入データや施策ごとに結構アンケートを取られていたりアンケート結果などデータはあるんですけど、結局、「どんな人がこのアンケートに答えて、その結果や施策、その人たちがどういう行動をしたのか」。それが全然繋がっていなくて、よくわからなかったんですよ。 切り取ってみればこういう結果だけど、それを統合したら、違う解釈になってしまったり……。

     

    ちょっと説明が難しいのですが、例えばアンケートでは
     

    ・これを買いたいと思いますか?
    ・どの広告イメージが一番印象的ですか?または好印象ですか?

     

    と聞くわけです。
     

    そのデータは豊富にありました。でも、回答を選んだ方が実際のところどのように態度変容しているのかが全く分からないんです。机上の空論でしかないと言う状況で……。
     

    ーー とても難しいけど、面白いお話ですね。これって、おそらく世の中のアンケートあるあるですよね。出したい結果を作るためにあれこれ……。


    伊佐 そうですね。本国や上司への報告のために使うんですよね。もしくは自社に都合よく使う……。


    ーー 世の中のアンケートってほとんど、そんな感じだとすると、何を信じたらいいのかわからなくなります。ちょっと怖いですね。その問題に対して、どういう取り組みをして改善していかれるんですか?


    伊佐 CDP(Customer Data Platform)をお持ちの企業さんと連携しながら、まずはデータを統合していきました。ユーザーがたどるカスタマージャーニーを地道になぞって、「結果的にこういう行動を起こして、こういう態度変容になっている」というところを取れるようにするにはCDPの導入が不可欠ですから、まずそれを進めていきました。ブツ切りのデータではなく、一貫してデータを見られるようにしていきましたね。そしてそれをマーケティングに落とし込んでいき、本国からの目標を達成することができました。


    ーー 想像以上に地道な作業ですね。でも、すさまじく意味がありそうです。
     

    自分の会社を誇れるから、自社のマーケティングもおもしろい

    ーー そして、自社マーケティング担当になられるわけですね。これはどういった経緯でしょうか。


    伊佐 これは成り行きで……。トレーディングデスクPAAM(Predictive Analytics And Marketing)でコンサルの知見を得ていたので、それを活かして自社サービスのインバウンドマーケティングをプロジェクトとして開始するタイミングで最初からアサインされました。そのプロジェクトが早期に軌道に乗り、部署化することになって、部署化するタイミングで、異動というか、兼務になりました。


    ーー 伊佐さんは希望していなかったのですか?


    伊佐 いえ、そんなことはありません。 マーケターの仕事って、自分が誇れる商材を誰かに届けるということが、仕事の面白みのひとつだと思うんです。 私自身もSpeeeのサービスに誇りを持っていたので、どうすれば自社サービスの良さを届けられるんだろうっていうことは、PAAMの頃に考えるようになっていて、漠然とではありますが1on1ミーティング(1対1の面談、以下1on1)で上司と話していました。 異動は成り行きではあるんですけど、私の意図、希望を汲み取ってプロジェクトにアサインしてもらえたという感じです。成り行きと言いつつ、私の希望はしっかり入っているんです。


    ーー 1on1が本当に機能しているんですね!?決して疑っていたわけではないのですが。(※1on1の詳細は前編参照)


    伊佐 もちろんです(笑)
     

    リアルなマーケティング、採用マーケティングの成果はインターンで体験できる

    ーー そして、現在は全社マーケティングも兼務していらっしゃるのですよね?


    伊佐 はい。異動してきた時は特定のサービスのマーケティング担当でしたが、兼務で採用マーケティングにも挑戦させてもらっています。


    ーー 新卒採用にも携わっているとお聞きしているのですが。


    伊佐 Speeeがどういう会社なのかということを学生に、どう届けるかというメッセージングやコミュニケーション設計などをしています。


    ーー 難しい点はありますか?


    伊佐 今まではBtoBのマーケティングで顧客側の意思決定がロジカルでした。論理的な道筋が立てやすかったのですが、採用は必ずしもロジカルなものではなくて感情が入ってきますよね。そして、学生の親御さんや周囲の友人との関係とかもあるのでとにかく複雑性が高いんです。それを的確に捉えて施策をたてていくのはとても難しいですね。


    ーー どのような成功例がありますか?


    伊佐 インターンシップの設計はうまくいっているかなと思います。インターシップをセグメントごとに計画、戦略を引いて設計していましてその都度コミュニケーションの取り方なども変えているんですよ、インターンの参加者によって。前年のインターンシップの承諾率と比較して向上させることができました。


    ーー リアルな体験のマーケティングですもんね。面白さもあれば同時に難しさもありそうです。


    伊佐 面白さはやっぱり学生と会えるので、 自分が打ったメッセージにどういう反応があるかをリアルに得られるところですね。一方でアンケートは取れるんですけど、Webなら当然わかる「どれくらいの人が見た、クリックした」といった定量的な結果をどう落とし込んでいくか、その時の雰囲気なども含めて実際に学生がどう感じているかを汲み取る力が必要になるので、そこは面白くもあり、難しいなと思うところです。


    ーー 近年よく聞きますが、本当に採用ってマーケティングなんですね。伊佐さんは先程、マーケターとしてスペシャリストになっていきたいとおっしゃっていましたね。今後はどのようなことにチャレンジしてスペシャリストに近づいていかれるのでしょうか?


    伊佐 BtoCのマーケティングもやってみたいですし、商品改良や商品開発もやってみたいです。あらためて、Speeeは事業会社でもありコンサル会社でもあるのでどっちにも伸ばしていけます。 スペシャリストに近づくために、あらゆる領域を伸ばして行きたいです。


    ーー それができる会社ですもんね。最後に学生の親世代ってSpeeeのことを知らない人が多いと思うんです。親なりの愛情ゆえに、日系大手企業を勧められ、Speeeとどちらがいいか迷っている学生に声をかけるとしたら何を伝えたいですか?


    伊佐 これは私の価値観ですけど、自分の幸せ自体は自分で決めるものだと思っています。あなたが将来どうなりたいか、そしてそれを引き寄せるために1番いい選択肢を自分で選ぶべきでは?ってお伝えするかなと思います。


    ーー 「なんとなく総合広告代理店に行きたいな、マーケターになりたいな」って考えてる就活生がこの記事を読んで伊佐さんのように自由に自分の将来を拡張していけるといいなと心底思いました。伊佐さん、今日はありがとうございました!


    伊佐 こちらこそ、ありがとうございます!

     

    前編の内容
    ・ファーストキャリアで総合広告代理店は本当に正解?
    ・10年先を見たら、大手総合商社や総合広告代理店よりベンチャーを選んだ方がよさそう?
    ・広告運用やコンサルの表面上のスキルだけではなく事業推進をするための思考力が身につく?

    「なんとなく総合広告代理店に行きたいな、マーケターになりたいな」って考えてる就活生が10年後に後悔しないために、今、この記事を読んで欲しい【前編】

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