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就職活動の際、特定の業種に絞って職を探している方は多いと言えます。
しかし、そもそも職種の種類がわからなかったり、業種だけにこだわって職種にこだわらずに就職活動をしていると、自身の特性や希望とマッチしない仕事を行うことになる可能性があります。
今回は、業種と職種の違いや職種の詳細、業種だけではなく職種まで考えることが就職活動成功の秘訣になる理由をお伝えします。
業種と職種の違いとは?
業種は「運輸業」「小売業」「建設業」など、会社の営む事業(業界の種類)そのもののことを指します。一方、職種とは「人事」「営業」「経理」など、会社内で実際に行う業務(仕事の種類)を指します。
就職後、仕事内容は業種と職種の二つを使って表すことになり、例えば「運輸業の会社で人事をしている」などと自己紹介をすることができます。
実際に働く時に重要なのは業界よりも「職種」
就職後、実際に働くことになったときに、より密接に関わってくるのは、実は業種よりも職種です。
なぜなら、就職後に実際に行うことになる仕事と密接なのは、業種よりも職種だからです。
例えば、「車が好きだから、自動車業界に就職したい」と考えたとしても、自動車業を営む会社内には実際に車を整備する技術職や、車を売る側に当たる営業職、車の販売に関わる雑務を行う事務など、様々な職種が存在しています。
ですから、就職活動を行う際は、「自動車業界に就きたい」だけではなく、「自動車業界で実際に車を売る販売職に就きたい」など、具体的に自身の望む働き方を考えることが重要です。
面接で聞かれるのは業界よりも「職種」について
実際に働く際、重要なのは業種よりも職種であり、企業側もそれを理解していることから、面接時に希望を聞かれるのは業種についてよりも、職種についてのことの方が多いと言えます。
もちろん、業種に対しての知識は最低限学んでおくべきですが、面接にて企業が聞きたいことは、「なぜ自社でなくてはならないのか」「就職後、どのように自社に貢献をしてくれるのか」についてです。ですから、業種に対する熱意や知識よりも、具体的にどのような職種に特性があって、自分がどれほど貢献できる人間なのかをアピールしなくてはなりません。
業種知識は、特定の企業に関わらず広く学べますが、「◯◯部で、〇〇の仕事をしたい」と具体的に語るためには、それだけ徹底的に企業研究を行っていなければなりません。
企業は、学生の「本気度」を測るためにも、業種についてよりも職種について聞くことが多いと言えます。
職種一覧
厚生労働省編職業分類によると、職種の大分類は以下のA~Kの11種類に分けられています。
大分類 | 職種 |
---|---|
A 管理的職業 | 議会議員 ・会社役員 ・会社の管理職員 など |
B 専門的・技術的職業 | 研究者・開発技術者・食品製造技術者・デザイナー・エンジニア・編集者・保育士・医師 など |
C 事務的職業 | 総務事務員・人事係事務員・秘書・コールセンターオペレーター・医療事務員・経理事務員・営業事務員 など |
D 販売の職業 | レジ係・コンビニエンスストア店員・飲食料品販売店員・不動産仲介・売買人・有価証券売買・仲立人・旅行営業員 など |
E サービスの職業 | 家事手伝・介護員・看護助手・美容師・調理人・ウエイター・ウエイトレス・アパートやビルの管理人・旅館・ホテル支配人フロント係 など |
F 保安の職業 | 自衛官・警察官・消防員・警備員 など |
G 農林漁業の職業 | 農耕作業員・養畜作業員・育林作業員・伐木・造材・集材作業員・漁労作業員 など |
H 生産工程の職業 | オペレーター・監視員・レトルト食品製造工・精肉工 など |
I 輸送・機械運転の職業 | 電車運転士・バス運転手・タクシー運転手・トラック運転手・船長(漁労船を除く)・車掌 など |
J 建設・採掘の職業 | 大工・送電線架線作業員 ・建設作業員・採鉱作業員 など |
K 運搬・清掃・包装等の職業 | 郵便集配員・引越作業員・ビル・建物清掃員・製品包装作業員・ピッキング作業員 など |
IT業界の職種について
厚生労働省の定めた職種は上記の通りですが、エージェントサービス等の利用をした場合、表記が異なる場合もあります。
上記、IT職種を「開発職」「マネジメント職」「営業・コンサルティング職」「マーケティング職」の大きく4つに分類して、それぞれの特徴をご紹介します。
開発職
サービスやアプリケーション開発に関わる職種。プログラミングやデザインなど専門的な知識が必須ですが、それだけでなくITに関する幅広い知識やトレンドのキャッチアップなども必要になります。
マネジメント職
プロジェクトや開発に関わる管理職です。進行管理やメンバーの管理、などプロジェクト全体を円滑に回すための業務を行います。「テクニカルスキル」「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」などいわゆるロバート・カッツが提唱したビジネススキルを持っていることが理想でしょう。
営業・コンサルティング職
自社のサービスやソフトウェアをおすすめしたり、クライアントに案件を提案したり、顧客の問題解決を提案していく職種です。コミュニケーション能力や提案力など営業スキルも重要ですが、顧客の問題を分析し解決策を考えたり、ITに関する技術面を含めた知識が必要だったりと、幅広い知識が必要になります。そのためエンジニアなど専門・技術職からキャリアアップする方も多いです。
マーケティング職
マーケティングとは「売れる仕組みを作る」こと。戦略を立て遂行していくため、自社の事業理解はもちろん市場調査や数値分析、企画、広告運用など幅広いスキルや、時には経営者視点での思考が必要となります。
希望職種を見つける4つの方法
就職活動の際は、業種だけでなく職種まで考えることが大事です。
ですが、いざ考えたときに、自分の希望職種がわからない、という学生の方が多いのも事実です。
もし、希望職種がわからない場合は希望職種を見つけるための方法として、4つご紹介します。
楽しいことやできることを考える
1つ目の方法として、まずは自分の「楽しいこと」「できること」を考えてみてください。
例えば、人と話すことが好きな場合は直接人と顔を合わせる営業職・販売職・人事職、大学や専門学校で専門の技術を学んできた方は、それを活かせる専門職・技術職に就くことが一つの選択肢になり得るでしょう。
仕事は就職そのものも重要ですが、今後も続けられるものを選ぶことが重要です。そのなかで、「好きなこと」を選ぶことは重要です。
嫌なことや苦手なことを考える
次に、2つ目の方法としては、反対に「嫌なこと」「苦手なこと」を考え、それを避けるということです。
例えば、「引っ込み思案で自分からどんどん話しかけるのは苦手だ」という場合は営業職には向かないかもしれませんが、話しかけるのが苦手な分「聞き上手だ」という場合は縁の下の力持ちとなる事務職や秘書職が向いていると言えます。
自分が苦手なことを探してそれを避けること、苦手の反対を考えて得意を考えることで、おのずと向いている職種を見つけることができるはずです。
適職診断を受けてみる
3つ目は、ネット上には適職診断を無料で受けられる様々なサイトがあるので活用するという方法です。自分の事を100%理解できていると自信を持って言える人は、なかなか少ないのではないでしょうか。診断では、自分の長所や短所、向いている仕事、今まで気付かなかった自分自身の性格や強み・弱みなども分析してもらえるので、本当の自分の欲求や考えをデータで可視化することができます。下記の「適職診断」をぜひ参考にしてみてください。
引用:キャリアインデックス「適職診断」
なりたい自分を考える
最後に、「なりたい自分に合わせて職種を選ぶ」という方法もあります。
将来的に役立つスキルを身につけておくことで、あらゆる企業において通用する人材に成長することができます。
就職活動をしている学生の方のなかには、「一生働ける会社を見つけたい」という人が多いと言えますが、会社の倒産や事業変更、急な引っ越しや介護の問題などから、転職する可能性は否定できません。そうした時、高いスキルを身につけることのできる職種についていれば、転職の際にも即戦力となることができます。
同じ会社内であっても、高いスキルを有した人材は重宝され、昇進や栄転の可能性を高めることができるでしょう。
とはいえ、スキルだけに囚われ、苦手意識の高い職種に就いてしまうと、仕事そのものがつらく苦しいものになってしまい、勤続が難しくなってしまう可能性があります。それでは意味がありませんから、自分自身の得意なもの、好きなもの、は最低限活かせるように意識して職種を探しましょう。
就職後まで見据えるために職種を考えることが重要
就職後、実際にどのように働きたいのかをイメージするためには、業種だけでなく、職種まで考えることが重要です。
職種までしっかりと考えることで、就職活動時の面接においてもより具体的にあなたの希望を伝え、熱意をアピールできます。
転職となる場合にも、職種は重要ですから、就職活動時からしっかりと職種を考え、本当にやりたいと思える仕事を見つけましょう。