外資系の戦略コンサルティングファームを受験する上で、一読したい書籍を分野ごとに網羅しました。
特に、ロジカルシンキングは各ファームを受ける上で最も基礎的な内容です。
中途採用では、3ヶ月から半年かけて各コンサルティングファームを受験していきたます。
本コラムで紹介する書籍は必ず、みなさまに読んでいただくことをオススメします。
ロジカルシンキング対策(5冊)
・『論点思考』 内田 和成著
おすすめ度 🌟🌟🌟
本書は、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)シニアアドバイザーの内田氏が記した本で、戦略コンサルティングファームで最も重要なのは「論点設定」をする力を学ぶことができます。
最初の例題として紹介される、「1つのケーキを2名で公平にわかるにはどうしたらよいか?」という問いにおいて重要なのは、解決策ではなく、「公平とは何か?」という論点を設定することです。
後半では、BCGの戦略コンサルタントの思考プロセスについても記載があり、戦略コンサルティングファームを目指す方に、最初に読んでいただきたいオススメの一冊です。
・『戦略思考コンプリートブック』河瀬 誠著
おすすめ度 🌟🌟🌟
本書はロジカルシンキング・ケース面接対策の基礎力向上にオススメの書籍です。
①課題設定②分析③解決策の立案④実行という問題解決プロセスのうち、①課題設定方法と②分析方法を中心に解説を行っています。
特にイシューツリー(ロジックツリー)の構築方法については、他書よりも詳しく説明されており、ボトムアップとトップダウンの両方からロジックを組み立てる方法が説明されています。
・『イシューからはじめよ』 安宅和人著
おすすめ度 🌟🌟
本書は元マッキンゼー・アンド・カンパニー(McK)で現ヤフーCSOの安宅氏が、仕事をする中で、「いま本当に解くべき課題」から仕事をすることの重要性を解いています。
「イシュー」とは、「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題」であり「根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題」の両方の条件を満たすものことです。
そもそも、あなたが「問題だ」と思っていることは、そのほとんどが、「いま、この局面でケリをつけるべき問題=イシュー」ではないことがほとんどです。
論点思考と同様に、問題解決のキモ=「イシュー」を見極めることが重要であることを学ぶことができます。
・『思考・論理・分析』 波頭亮著
おすすめ度 🌟🌟
本書は、マッキンゼー・アンド・カンパニー(McK)で大前研一氏とトップをはっていた波頭氏が思考とは何かを論理学的な視点から考え、ロジカルシンキングを身につけるという流れで説明した書籍です。
人間は普段、どのように考えているのか?という哲学・論理学から、ロジカルシンキングを学ぶことができるため、
腹落ちしやすい説明になっています。
また、分析編では、パワーポイント(チャート)の作り方やデータ分析の仕方/まとめ方を紹介しています。
・『BBTシリーズ8 コンサルティング入門』内田和成著
おすすめ度 🌟🌟🌟
本書は大前研一氏が主催するBBTの「コンサルティング入門」の映像を書籍化したものです。
BCGの内田氏を中心に、BCGのパートナー陣がコンサルティングノウハウやクライアントのインタビューの仕方を説明しています。志望理由のブラッシュアップおよびケース対策の事前勉強として読んでおきたい一冊です。
ビジネス基礎(4冊)
・『大学4年間の経営学見るだけノート』 平野 敦士 カール著
おすすめ度 🌟🌟
経営学における基礎的な内容を見開き2ページかつ絵本のような構成で説明しています。
経営に関する知識がほとんど無い方が、基礎知識をつける最初の一歩にうってつけの本です。
新卒採用における対策本としても人気が出てきています。
・『MBAマネジメントブック<第三版>』 グロービス経営大学院著
おすすめ度 🌟🌟🌟
経営学に関する全般を、「経営戦略論」、「組織論」、「マーケティング」、「アカウンティング」、「ファイナンス」の分野ごとに見開き2ページで1つの内容の説明しています。特に、経営戦略論とマーケティングについては、ケース面接のアイデアの幅を広げるために必要な知識を網羅していますので、一読をオススメします。
・『ドリルを売るには穴を売れ」 佐藤 義典著
おすすめ度 🌟🌟🌟
本書はマーケティングの基礎を学ぶ上でオススメの1冊です。
「商品を売るには、顧客にとっての『価値』から考えよ」という視点から「価値」を切り口にして、売り方の基本をSTP→4Pというマーケティングの基本的なフレームワークに沿ってわかりやすく説明しています。
すなわち、「あなたは何を売っているのか(ベネフィット)」、「誰に売っているのか(ターゲティング)」、「あなたの商品でなければならない理由はなにか(差別化)」「その価値をどうやって届けるのか(4P)」というマーケティング思考をストーリー仕立てで学ぶことができます。初めてマーケティングを学ぶ方にオススメです。
・『100円のコーラを1000円で売る方法』 永井 孝尚著
おすすめ度 🌟🌟
こちらも『ドリルを売るには穴を売れ』と同様に、マーケティングの基本的な考え方をストーリー仕立てで学ぶことができます。
コトラーの基礎的なフレームワークをおさえつつ、ブルーオーシャン戦略やキャズム理論など、新規事業立ち上げで利用するフレームワークが多く紹介されていますので、新規事業系のケース面接対策にオススメの一冊です。
コンサルティングファーム情報(3冊)
・『コンサルティングファームの基本』 神川 貴実彦著
おすすめ度 🌟🌟
本書は、コンサルティングファームの基礎的な知識やビジネス用語、領域の説明、プロジェクト事例、各コンサルティングファームの特徴など幅広い情報を1冊にまとめています。志望動機対策に手元に1冊置いておきたい一冊です。
・『コンサルティング業界大研究』ジョブウェブ コンサルティングファーム研究会 おすすめ度☆☆
コンサルティングファームに関する基礎知識から、各コンサルティングファームの特徴、採用・昇進プロセスなど、徹底的にコンサルティングファームの調査を行って書かれた書籍です。現役のコンサルタントへのインタビューなど、読み物としても非常によく書かれています。本書か『コンサルティングファームの基本』のどちらかは志望動機対策として手に入れておく必要があります。
・『コンサル100年史』 並木裕太著
おすすめ度 🌟
マッキンゼー・アンド・カンパニーで天才と言われ、現在フィールド・マネージメント(FM)代表の並木さんがコンサルティングファームの歴史、コンサルティングファームの働き方や今後のあるべき姿についてまとめた本です。
非常に分厚い本となっていますので、コンサルティングファーム対策としては、2章のコンサルティングファームの働き方をメインで目を通せば十分であると思います。
コンサルティングファームの発展の歴史に興味がある方は1章を軽く目を通していただくことも良いと思います。
ケース面接対策(4冊)
・『現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』東大ケーススタディ研究会著
おすすめ度 🌟🌟
本書は、コンサルティングファームのケース面接試験でよく用いられる、「フェルミ推定」に関する基礎的な本です。
初めてフェルミ推定に取り組む方が、思考のプロセスを学ぶためにうってつけです。ケース面接は口頭で行われるものですので、書籍では、自身で問題を解いてみて、解答を参考にする程度で問題ありません。
・『過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題』大石哲之著
おすすめ度 🌟🌟
本書は、元アクセンチュアの戦略コンサルタントの大石さんが書かれたフェルミ推定とケース面接問題の書籍です。
フェルミ推定とケース面接の両方が1冊にまとまった書籍は他にないため、初期段階でケース面接の全体像をつかむためにうってつけです。解答の良し悪しについては、議論があるため、参考程度に留めてください。
・『戦略コンサルティング・ファームの面接試験』マーク・ゴゼンティーノ著
おすすめ度 🌟🌟
本書は海外でケース面接対策として定評のある、『Case in Point』の日本語版です。後半のケース面接部分は、日本のケース面接とは異なる形式なので、利用する必要はありませんが、前半のケース面接の準備方法や、ケース面接の失敗方法などについては、きちんと理解しておく必要があります。また、考え方のフレームワークとして、アイビーフレームワークについても理解することをオススメ致します。
・『戦略コンサルティング・ファームの面接攻略法』ビクター・チェン著
おすすめ度 🌟🌟
本書は、マーク・ゴゼンティーノの書籍と同様に、海外のケース対策本として著名な書籍です。
本書がマーク・ゴゼンティーノの書籍と異なる点は、ビクター・チェン自身がマッキンゼーの面接官として、ケース面接をしていた際の経験から、面接官がどのような視点を評価しているか、という点を学ぶことができる点にあります。
本書をある程度準備が進んだ段階で読むことで、ケース対策のレベルをもう一段階引き上げることができます。
会計・ファイナンス(3冊)
・『財務諸表3表一体理解法』 國貞克則著
おすすめ度 🌟🌟🌟
本書は、企業の財務諸表であるPL, BS,CSについて、簿記を学ばなくともそれぞれが理解できるように工夫された、良書です。
本書の内容を理解することで「利益を上げる」ケース問題への対応や、M&Aに関するケース問題への対応力が身につきます。特に、ベイン・アンド・カンパニーやFAS系のコンサルティングファームを受ける方にオススメの書籍です。
・『IGPI流経営分析のリアルノウハウ』 冨山和彦著
おすすめ度 🌟🌟🌟
本書は、「apple to apple」な正しい経営分析を行うことができるようになるために、必要な基本的な考え方を学ぶことができます。一般的に経営分析で行いがちな、比較してはいけないものを比較してしまうことです。本書をよむことで、正しく企業の業績をわかる基礎を身につけられることができます。コンサルティングファームに入社するまでには読んでおきたい1冊です。
・『MBAバリュエーション』 森生 明著
おすすめ度 🌟🌟🌟
本書は、企業価値評価の最も代表的な書籍の1冊です。新卒採用にて投資銀行を受験する学生の中では最も著名な1冊となっており、中途採用においても、ファイナンス・M&A部門のコンサルティングファームを受験する方は必ず目を通しておきたい1冊です。選考官も読んでいることが多く、「どんな本を読んだ?」と言った面接の質問にも有効です。
プロフェッショナル
・『コンサルティングとは何か』 堀紘一
おすすめ度 🌟🌟🌟
本書は大前研一氏と並ぶコンサルタントの世界的グールーであり、BCGの日本法人元会長・ドリームインキュベータの創業者で取締役ファウンダーの堀紘一氏がコンサルティングについてまとめた書籍です。
前半では堀紘一氏がBCGの前線でどのようなコンサルティングの変化があったかについてまとめています。
堀紘一氏は顧客に戦略コンサルティングを提供する意義は①企業は往々にして顧客を把握でていないから②過去の成功体験が発展を阻害するから③因果関係を徹底的に追求できるから④戦略立案には技術と経験が必要であるからと述べています。
コンサルティングの全体像について学びたい方、志望動機対策に読んでいただきたい1冊です。