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ワークライフバランスは必要?20代女性の働き方改革

働き方改革に取り組む企業が増える中、「ワークライフバランスを整えたい」という転職相談をいただくことが増えています。その中でも今回は、20代半ばの女性に多く見られるお悩みにフォーカスしました。スキルを磨きながら、結婚・出産などのライフイベントも控える女性の転職とキャリア形成について、女性ならではの目線で転職を成功へと導く、シンアド転職エージェント キャリアコンサルタントの伊藤佳純(いとう・かすみ)が解説します。


「ワークライフバランス」と「やりたいこと」、どちらが大事?

20代半ばの女性から転職の相談をいただくと「ワークライフバランスが整っていて、産休・育休の制度がしっかりしている企業に転職したい」と、求人票の「福利厚生」欄を真っ先に確認される方がいらっしゃいます。


私も以前はデジタル業界で働いていたので、お気持ちはとてもよくわかります。他業界で働く同世代と比べて仕事量が多く、労働時間も長い。疲労がたまり、プライベートの時間も満足に取れず、「もう少し余裕の持てる仕事がいいな」と思ってしまう。また、いずれやってくるであろう「結婚」や「出産」というライフイベントのことを考えると「産休・育休制度や福利厚生が充実していて、もっと余裕をもって仕事ができる会社で働きたい」と思うのも理解できます。


しかしこうした相談を受ける際、私がいつも感じるのは、「ワークライフバランスや福利厚生を軸とした転職を【今】することが、その方のキャリアにとって本当にベストなのか」ということです。


相談にいらっしゃる求職者の方は、社会人になって3~5年間、同業界で頑張ってきた方々です。ではなぜ、頑張ってきたのか。やりたいことや、目指すビジョンなど、そこには何らかの思いがあったはずです。現にお話をしていく中で、最初は「ワークライフバランスを整えたい」という希望をおっしゃっていても、この業界に入った理由ややりたいと思っていたことなど「仕事に対する思い」をうかがうと、「本当は○○がやりたいんですよね……」と進路を迷う方が多くいらっしゃいます。


もしかしたら、いま少し疲れている時期だから「ワークライフバランス」という言葉が魅力的に見えているだけかもしれません。そして現状のつらい状況から脱したいという理由が「結婚・出産」という、女性ならではのもっともらしい理由にすり替わってしまっている場合もあるようにも感じられるのです。


”ワークライフバランスを重視した環境”は、時間や仕事の量が決められていることが多いので、プライベートも大切にできますし、余裕を持って仕事に取り組むことができます。しかしやりたいことを思いっきりやれる環境かというと、ほとんどの場合はそうではありません。実際に「ワークライフバランス重視で転職をしたものの、しばらく働いてみたら、やっぱり物足りなくなった」という方も過去にいらっしゃいました。せっかくのキャリアの芽を摘んでしまうことになりかねないので、もったいないなと感じます。


転職は大前提として「転職によってどうなりたいか(転職の軸)」を自分自身がはっきり理解していないと絶対に成功しません。だから私は、「ワークライフバランス」や「福利厚生」を求めていらっしゃる求職者様には「なぜ転職したいのか」をいま一度考えていただくようにしています。もしかしたら本当は目指したいキャリアがあるかもしれませんし、ほんの少し休めばまた興味のある仕事を頑張りたいと思い始めるかもしれません。


もちろん、それでもやっぱり「ワークライフバランス」や「福利厚生」を優先したいということでしたら、その軸がぶれないように徹底的に支援いたします。ただ、本当に進むべきキャリアを一時的な感情で見失ってしまってはもったいないので、ご自身をもう一度振り返っていただくことをおすすめしています。


将来「時短」で働きたいなら、コアスキルを磨くべき

話が少し変わりますが、出産後の女性の多くが希望する「時短勤務」という働き方についてもお話ししましょう。20代の女性の中にも「出産後は時短で働きたい。だから今の時点で、産休・育休制度が整っている会社を選びたい」とおっしゃる方が少なくありません。女性の意見として当然のようにも感じますが、そもそも「時短で働く」というのは、短い時間でも会社にとって有益なパフォーマンスを生み出せることが前提です。


つまり、産休に入る段階で、コアスキルが身についていて、その会社にとって「必要な人」でなければいけません。この点を見落としていて「安定した企業に入社さえできれば、誰でも時短で働ける」と思っている方が多くいらっしゃいます。


では、そのコアスキルをいつ身につけるのか。当然ですが、経験を積む時期が早ければ早いほど出産までに多くのスキルを身につけられますし、その仕事量に耐えられる体力もあります。「産休明けに時短で働きたい」と本気で考えているのでしたら、20代半ばの今こそ、そのコアスキルを磨く絶好のチャンスではないでしょうか。将来に向けて「今からワークライフバランスが整った環境を見つけておく」のも良いですが、徹底的にスキルを磨くことを優先した方が、結果的に希望通りのキャリアへの近道になるのではないかと思います。


そこで私がおすすめしているのが「スキルの棚卸し」です。自分は今何ができて、この先、どんなスキルを身につけていくべきかを見直します。棚卸しが済んだら、さらに掘り下げてみても良いでしょう。なぜこの業界に飛び込んだのか、どうなりたくて今の仕事を必死にこなしてきたのかを振り返って考えてみるのです。


こうしたスキルの棚卸しをすると、やるべきことが明確になり、転職の本当の軸も見つかります。その上で、もしかしたら今の会社に残ったほうが良いケースもあるかもしれません。部署移動によってやりたいことができるようになるなら、スキルを磨くために今の会社に残るという選択肢もあるのです。転職だけが答えとは限りません。


福利厚生を求めるなら大手、スキルを磨くならベンチャーへ

最後に、「安定している大手企業に転職したい」という相談に関しても触れておきます。大手企業は福利厚生が整っている会社が多いのは事実ですし、人数が多い分、分業されているので自分の仕事の量も領域も決まっています。決まった仕事を決まった分だけしっかりやりたいと思っている方には向いていますね。しかし一方で、まだまだ序列を重視している会社も多く、イエスと思っていないのにイエスと言わなければならない等というジレンマを抱えることになるかもしれません。


一方ベンチャー企業は、「全部自分でやらなければいけない」というビジネススタイルです。自分の領域以外の仕事にも手をつけなければならず、仕事の量は自ずと増えるので、「私はここまでしかやりません」と自分の仕事の枠を決めたい方には向きません。ただし、担当する領域が広い分、幅広くスキルを身に付けることができ、より早く成長することができるでしょう。


仕事の量は決して少ないとはいえませんが、「人が財産」と考える傾向が強く、最近では人事体制が整っている企業も多いですし、労働時間に着目し、生産性を上げることで労働時間を短縮しようと試みている企業も増えています。好奇心旺盛でチャレンジ精神のある方はベンチャー企業がおすすめですね。


将来、結婚・出産を見据えてキャリアを積みたいと考えている方は、「コアスキルを極める」という選択肢も考慮に入れてみてはいかがでしょうか。そのための「スキルの棚卸し」は、一度ではなく頻繁に行うほうが良いですね。自分でやってみると意外と難しく、気づけない点や見落としてしまう点も出てくるので、少し不安に思うときはぜひ相談にいらしてください。私がお手伝いいたしますし、キャリアのつくり方などもアドバイスさせていただきます。一緒に目指すべき方向を明確にしながら、将来幸せになれるキャリアをつくりましょう!


監修/伊藤佳純(コミュニケーションエージェント) 構成・文/谷 瑞世(シンアド編集部) 撮影/吉田和夫



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