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【戦略思考を鍛える①:右脳編】売れない車が一躍人気に! そのワケとは?

広告・IT/Web業界で活躍するためには欠かせない、発想力。それは、企業の課題を解決するための戦略的な思考につながります。そこで今回は、『戦略思考トレーニングシリーズ』(日経文庫)の著書、経営コンサルタントの鈴木貴博氏に「戦略思考」の鍛え方についてうかがいました。第1回目は、“ひらめきや直感”を司る右脳を鍛えます。さあ、クイズに答えながら、一緒にトレーニングしましょう!

目次[非表示]

  1. 1.問題1 なかなか売れなかった車が一躍人気に!そのワケとは?
  2. 2.問題2 新幹線の1階席と2階席、不公平さをなくす方法とは?
  3. 3.問題3 大手コンビニの市場制覇に対し、地元のコンビニ社長がとった策とは?


ーまずクイズの前にー


とにかくたくさんの情報に触れる、それが戦略思考につながります


「まずはたくさんの情報に触れることです。打席に立たなければバットにボールを当てることができないのと同じこと。そして、そのたくさんの情報の中から“使えるもの”に気づく力を身につけること。ここが重要です。特に今回のテーマである『右脳』を鍛えるためには、収集した多くの情報を取捨選択する過程において、いろいろな角度で情報を見ることが大切です。すると自分の中のポケットが増え、課題に対する処方箋を複数持てるようになるというわけです」(鈴木氏)


それでは、次のクイズにチャレンジして、思考を鍛えましょう!


問題1 なかなか売れなかった車が一躍人気に!そのワケとは?

今は売れ筋の乗用車の中にミニバンやRVが当たり前のように入っている時代ですが、1980年代前半頃の消費者の多くは保守的で、このような新しいカテゴリーの車を買うのを躊躇していました。そんな中、某大手自動車メーカーは保守的なユーザーの懸念点を、ある方法で解決し、RVの市場を広げることに成功したのですが、その方法とは何でしょうか?

◆ヒント
興味は持たれるものの、なかなか売れない。そんな状況で、「この商品はこんなに素晴らしいんですよ」「ライフスタイルにぴったり」と宣伝しても何も変わりません。このクイズのヒントは「この車を買いたくない理由」を考えること。そして、それを解決する方法を考えてみましょう。

◆答え
「当時まだ斬新なコンセプトと思われていたこれらの車は、下取りに出したときに高く売れないのでは? という不安を抱かれがちでした。これがまさに買いたくない理由ですね。そこでこの自動車メーカーは、系列のディーラに対して、それらの車については、他よりも高い値段で下取りするよう指示したのです。中古市場で徹底的に価格の維持を行った結果、いつの間にか『高く買い取ってもらえる車』という印象が植えつけられ、売り上げ増につなげました」(鈴木氏)


いかがですか?「こんな簡単なことか」と思った方もいるのではないでしょうか?


「この例題は戦略とマーケティングの接点にある問題。単純な〝商品のすばらしさ“をアプローチする方法では効かない場合、角度を変えて考えなければいけません。つまりこれが、右脳的なジャンプです。思考を柔らかくして、いろいろな可能性について考えることから始めてみてください」(鈴木氏)


問題2 新幹線の1階席と2階席、不公平さをなくす方法とは?

上越新幹線などで親しまれてきた2階建て列車には、乗客にとって不公平な点がありました。それは”眺めの良さ”。2階席は防音壁の上に窓が出るので眺めが良いですが、1階席は見えるのがコンクリートの壁ばかり。この不公平さをなくすために、JRは1階席と2階席である違いを作りました。それは何でしょう?

◆ヒント
戦略思考力を磨き、右脳を鍛えるためには、与えられたテーマに対して、さまざまな角度から多くの可能性を考えることが重要です。この問題のポイントは「不公平さをなくす」。そのためにどうすればいいのかをたくさんあげてみましょう。

◆答え
「不公平さをなくすために1階と2階で価格や広さを変えるとなると、売る手間が複雑になり、別の問題が生じます。そこで商品力に着目してみてください。公平にするためには『眺めの良くない1階席の商品力を上げる』と考えがちなのですが、実はもうひとつ方法があるんです。それは『2階席の商品力を下げる』という方法。その方が、予算をかけずに簡単にできるんです。つまりここでは『2階席の価値を下げて1階席と合わせる』のがベスト。そこで導きだされたアイデアが『2階席はリクライニングシートにしない』ということでした」(鈴木氏)


その結果、窓からの景色を楽しみたい人は2階を利用し、イスを倒してぐっすり休みたい人は1階席というように、うまく棲み分けがなされたようです。普段から”価値の提供”にばかり目を向けてしまいがちですが、ここでは逆のアプローチも有効であることに気づけるかがポイントです。


問題3 大手コンビニの市場制覇に対し、地元のコンビニ社長がとった策とは?

セブン‐イレブンはドミナント戦略といってある地域に徹底的に出店してそこで市場を制覇したら、その後に次の地域に移るという出店戦略を用いています。そのセブン-イレブンが四国に上陸することになった際、困ったのは業界下位のコンビニに属するメガフランチャイジーの社長です。四国で100店舗を超えるコンビニを経営しているのですが、セブン-イレブンが上陸したらひとたまりもありません。そこで社長が考えた秘策とは何だったでしょう?

◆ヒント
こうした困った事態になると、戦略会議を開いてどうやって対抗するかを考えるもの。「敵」と「味方」に分かれているときほど、その対立構造に引きずられてしまうわけです。

◆答え
「答えは『全店をセブン-イレブンに鞍替えする』。この問題のポイントは、敵とどう戦うかではなく、敵・味方という枠組みを取り払えるかを考えること。どうやったら勝てるかを、対抗する以外の方法の中から見つけられること重要です」(鈴木氏)

これも新聞で取り上げられた実際にあった出来事です。ちなみに、経営者は契約していたコンビニ本部から契約違反で訴えられ、多くの出費を強いられたそうです。しかし、「会社がつぶれるよりはマシ」だったのです。リスクを天秤にかけて、訴えられる方を選んだのも、戦略的な判断というわけですね。


「今回は3つのクイズにチャレンジしてもらいましたが、それぞれの答えを見ると『簡単じゃないか』と思ったかもしれません。しかし、重要なのは、答えを知る前に発想の展開ができたかどうか。まさに右脳的な発想力が求められるわけです。」(鈴木氏)

違う角度から物事を見られるようになるためには、ひとつの事について、あらゆる可能性を考える癖をつけることが大切。日々仕入れる情報の中でトレーニングし、役に立つと思うものを自分のものにする習慣を作ってみてくださいね。

今回お話をうかがったのは


鈴木貴博氏

鈴木貴博氏

事業戦略コンサルタント。百年コンサルティング代表取締役。1986年、ボストンコンサルティンググループ入社。持ち前の分析力と洞察力を武器に企業間の複雑な競争原理を解明する専門家として13年に亘り活躍。伝説のコンサルタントと呼ばれる。ネットイヤーグループ(東証マザーズ上場)の起業に参画後、2003年に独立し、百年コンサルティングを創業。以来、最も創造的でかつ「がつん!」とインパクトのある事業戦略作りができるアドバイザーとして大企業からの注文が途絶えたことがない。


戦略思考トレーニング経済クイズ王

著書『戦略思考トレーニング 経済クイズ王』(日経文庫)


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シンアド転職エージェント編集部

シンアド転職エージェント編集部

株式会社ホールハートが運営する、広告業界・PR業界・デジタル業界に特化した転職支援サービス「シンアド転職エージェント」に付属する編集部。他媒体での編集長経験者やフリーランス経験者など多様な編集部員が所属しています。

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